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(監修)小林隆司『「学童保育×作業療法」コンサルテーション入門』

・本書は、作業療法士、介護事業、学童保育指導員などを経験された方々が学童保育保育でのコンサルテーション20の事例を中心に紹介した1冊。

・発達障害のある子どもたちは、その発達特性ゆえに、学童保育で過ごしにくさを抱えながら生活をしている(友だちとうまく遊ぶことができないなど)。

・学童保育における作業療法コンサルテーションでは、そのような負のスパイラルに陥っている学童保育に、「作業」を通じて子どもの発達を支援する専門家「作業療法士」が訪れ、子どもたちの気になる行動、学童保育で日々繰り広げられる「生活」や「遊び」、学童保育指導員への声かけの仕方、学童保育内の環境等を分析し評価する。

・「生活」と「遊び」を通じて子どもの発達を支援する専門家の「学童保育指導員」は、子どもが「なぜそのような行動をしているのか」という原因や背景を作業療法士が丁寧に説明したのを基に生活や遊びを見直し、環境を調整して、さまざまな方法で子どもの発達・成長を支える。

・学童保育指導員と作業療法士のコラボにより、学童保育の生活や遊びが豊かになり、子どもたちが楽しく健やかに発達・成長していくと同時に、子どもたちが育っていくことで、指導員の意識も高まり自信がついてくる。

本書の事例
①ゆらゆら体を揺らし落ち着きのない子どもの対応について
・「ここは僕の場所!」というエリアをつくることにより、落ち着いた環境で話すことができる。ちゃんとお話が聞けたらほめましょう。
・じっといられないことの対応としては、その子専用の小さな椅子を用意することで、自分のテリトリーとして定着していくはず。

②学童保育内の友だちと遊びたいけど、言葉で気持ちを伝えるのが難しい子の対応
・行動を3つの視点(好ましい行動・好ましくない行動・危険な行動)に分けてそれに応じた対応をする。
好ましい行動をした際はさりげなくほめる
好ましくない行動をした際は静観してみて、注意しすぎないようにみる
危険な行動をした際は、「◯◯してはだめ(登っちゃだめ)」ではなく「◯◯してね(降りてね)」とテンポをゆっくりとすべき行動を伝えるようにする。

・本書は事例集として、
①子どもの特性を作業療法士な分析、評価し、指導員がその特性を捉えた支援事例(感情のコントロール・言いたいことを伝えるなど)
②学童保育内の環境を整えて、子どもたちの生活や遊びが豊かになった事例(学童保育内での勉強方法・安心安全の場のつくりかたなど)
③子ども同士の対人関係や集団活動に焦点を当てた事例(友だちとの上手な遊び方・コミュニケーションのとり方など)
④支援員同士の連携についてアプローチした事例(子どもとの関わり方・職員間のコミュニケーション方法など)
の4つを中心に紹介している。

・また、「障害のある子ども(知的障害・発達障害(ADHD・LDなど)の理解のしかた」や作業療法のコンサルテーションのすすめ方も合わせて紹介されている。

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