吉田幸弘「部下も上司も動かす 武器としての伝え方」
・本書は、さまざまな業種のビジネスパーソン向けに、人材育成、チームビルディング、コミュニケーション術の方法を中心としたコンサルティング活動及び1on1コーチング、講演、研修等を実施する人材育成コンサルタントでコミュニケーションデザイナーの著者が、「結果を出している人の伝え方」のメソッドならびに、話を引き出す質問術について解説した1冊。
・コミュニケーションに悩む人の例として、
①何かをお願いする時、全員に同じ説明をする「マネキンタイプAさん」
②その仕事の意義・背景については何も語らず、何でも「べき」「仕事だから」で片づける「ロボットリーダーBさん」
③飛躍する話を出し、話し出すと止まらない「かっぱえびせんCさん」
④「多めで」「広めで」「濃い目の色で」といった曖昧な指示をする「ファジーDさん」
⑤やりとりで時間がかかり、結論までなかなかいかない「ルパンEさん」
といった代表例5人を挙げている。
・この5つのケースを改善するには、「伝え方」を工夫すること。伝え方を工夫すれば、状況を大きく変えることは可能である。
・②のロボットリーダーBさんの解決策として、「会社・上司視点の理由・メリットでなく、本人視点での理由・メリットを伝える」がある。
・人は、それぞれ違う考え方を持っている。例えば、リモートワークを導入して、「効率的に時間を使える」と喜ぶ人もいれば、「人とのコミュニケーションが減る」と感じる人もいる。
・なので、同じ言葉を伝えた際に、Aさんはモチベーションが上がり、Bさんはモチベーションが下がる場合がある。
・部下に仕事をお願いする際、「Why(なぜ仕事をお願いするのか)」を伝えると、成果物の状態が大きく変わることがあるが、実はこのWhyが省略されていることが多かった。
・変化のスピードが激しく、新しい仕事が増えた今、よりWhy(その仕事をやる理由・やる必要が出てきた背景)を伝える必要が出てきている。
・本書では、部下のタイプことに伝え方の例を挙げている。その伝え方とは、
①評価優先型(評価に直結する業務と伝える)
②リスク回避型(リスクが小さいことを証明するサポート体制を強調)
③チャレンジ型(簡単な仕事ではないと伝える将来を左右する仕事と伝える)
④自由志向型(自分でできる裁量を大きくする)
の4つである。
※①〜⑤の解決策の詳細については、本書をお読みください。
・本書は、「その伝え方は凶器です」「伝えるべきことをシンプルに絞り込む」「伝え上手になるための心得」「伝わる表現にする」「話を引き出す質問術」「相手の心を動かす伝え方」「武器になる褒め方・叱り方」「有効的な対立にする伝え方(コンフリクトマネジメント)」という章で構成されており、「フレームワークを上手く活用する」「構造的に伝える」「メリットばかり提示するのは危険」「相手の壁を突き破る質問方法」など、結果を出している人の伝え方ならびに質問術が紹介された内容となっている。
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