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磯部一郎「生き急ぐ」

・本書は、悪性リンパ腫を発病、余命宣告を受けたものの、奇跡的に生還し、これまでに社会起業家、経営コンサルタントとして、オンラインサロン運営、中小企業・起業家支援、パラレルキャリア構築支援など、闘病しながら多岐に渡る活動に力を注いだ著者が、自身の経験を通じて、「生き急ぐ生き方とは何か」について解説した1冊。

・「生き急ぐ」とは、『命の最期を意識して今を生きること』である。
・著者は、先に述べた経験をするも、人生を諦めていたわけではなかった。経営者として、最悪のケースは考えなくてはいけない。逃げてはいけない。最悪のシナリオを考えながら、同時に、「助かった時には、こうしよう」という成長戦略を考えていて、絶望と希望を同時に抱いて生きていた。
・著者は、余命宣告を受けるも、食事と生活を根本から変更(具体的には、毎朝4時に起きる、風呂に長く浸かる、肉を食べない生活(ビーガン)など)したことで、「何故、これほどまで治療効果が出たのが不思議。重篤な副作用も起きていないですし、学会で発表したいくらい」と主治医の先生から言われるくらい、血液検査の結果が良くなった。
・自分を信じて、できることをやり尽くす。「幸運は努力の先にある」ということをこの経験で教えてくれたのだ。

・著者の考える「後悔のない人生」とは、病気を告白することだった。サーフィンをしていた経験があったが、息子さんと娘さんに一度も自身がサーフィンをしている姿を見せたことがなかった。以前は、毎週末のように夫婦で海に行っていたのに、子どもと一緒に海に行ったのは、息子さんが小さかった時に一度だけである。
・思い立って、子どもと一緒に海でアウトドアを楽しもうと思っても、健康上困難なためだ。なので、キャンプにも行けなかった。
・普通の家庭が夏休みや週末にできることが、一切できておらず、それは、一生取り戻せないことだった。「今は、仕方のないこと」だと割り切り、多くは望まなくても良いと思いながら、過ごしていたのだ。
・著者の夢は、子どもと一緒に海外旅行へ行く時間をつくるのが、著者の夢だった。
・「いつでもできること」は「今しかできないこと」かもしれないのだ。
※本書では、著者の「時間の考え方」について8項目紹介されているが、詳細は本書をお読みください。

・本書では、「生き急ぐ」というプロローグから始まり、「時間を大切にする」「逆境を乗り越える」「自己認識を高める」「活躍できる場所を探す」「ポリシーを持って仕事する」「運命とともに生きる」という章で構成されており、
◇病気になって変わった価値観と人生観
◇失敗が怖い時、どのように立ち向かえばよいか
◇積極的に自分の「〇」を広げる
◇仕事はあり方が10割
◇芸者の町に妾の子として生まれた自分とどのように向き合ってきたのか
など、著者自身の体験談を通じて、「今」を悔いなく生きる「新時代の生き方」について述べた内容が収録されている。

著者は、病気療養中のところ、先月、享年46歳で永眠しました。著者の生き方や考え方は、多くの方々に「今を生きること」の大切さを教えてくれます。

人生100年時代ではないと言われる今だからこそ、多くの方々に「生き急ぐ」という考え方が必要なのかもしれません。

※ 磯部一郎様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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