小川仁志「今までにない発想を生み出す アイデアの着眼点」
・本書は、商社マン、フリーター、公務員を経て大学教授になり、市民のための哲学を実践する哲学者の著者が、「他人とは一味違うアイデアを生み出すための思考ツール」を紹介した1冊。
・常識を超えたアイデアが、イノベーションの鍵を握る。そのアイデアを出すためには、常識を超えた思考をすればいい。
・そのために、哲学を使ってアイデア出しをすれば、驚くようなアイデアが出てくる。
・そもそもアイデアとは、一般的には「二つ以上の概念の組み合わせだと言われる。
(例として、リンゴ+ジュース=リンゴジュース、カレー+牛丼=カレー牛などが挙げられている)
・その組み合わせ方がユニークであればあるほど、ユニークなアイデアになる。その意味で、着眼点のユニークさが、アイデアのユニークさに比例するといえる。
・哲学は、物事に新たな意味を見出す部分にこそ意義がある。言い換えるとそれは、常識の枠を考えることでもある。
※哲学思考には3ステップがあり、1つ目は「疑う」である。残りの2つについては本書をお読みください。
・本書では、著者が着眼点がユニークだと思う10人の哲学者が紹介されており、それぞれのポイントを解説している。
・そのうちのひとりが、「アリストテレス」である。彼は最古の創作論「詩学」で、悲劇や喜劇について詳細な分析を行っており、その内容は「創作の本質について論じたもの」であるといえる。
・アリストテレスが「詩学」を書いた当時の古代ギリシアでは叙事詩や悲劇などが盛んであった。そして、その時にアリストテレスは創作の力に着目していたのだ。
・アリストテレスに言わせると、創作という営みは、人間にとって決して特別なことではない。とりわけ詩作に限ってみても、それは人間の自然本性に発した自然なふるまいだというのだ。
・「あの鳥のように美しく鳴きたい、あの花々のように美しく咲きたい」そうした自然を模倣したいという気持ちが創作につながっているということである。
・だからアリストテレスは創作における模倣の意義を重視したのだ。
※「アリストテレス流 物語のつくり方」についても触れられているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「アイデアを生み出す「哲学思考』とは?」「世界の見え方が変わる10人の哲学者の視点」「10人の哲学者の視点はこう使う」「アイデアを出し続ける思考習慣」「アイデアを形にする方法」という章で構成されており、
◇なぜAIに哲学はできないのか?
◇「カント・ヘーゲル・ガブリエル」など10人の哲学者の視点
◇アイデアは「〇〇」と心得る
など、現役哲学者である著者が実践する新しい発想を生み出すための「哲学の使い方」について紹介した内容となっている。
※本日(4/10)発売の本です!
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