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蔵本貴文「高校数学からのギャップを埋める 大学数学入門」

・本書は、微積分や三角関数、複素数などを駆使して、半導体素子の特性を数式で表現するモデリングという業務を専門に行うエンジニアのほか、エンジニアライター、ブックライティングなどの一面を持つ著者が、大学の低学年で学ぶ数学の意味や目的について伝えた1冊。

・大学に入ると数学が難しくなる原因は、
⒈大学の数学は高度に抽象化されているから
⒉定理の証明に重点が置かれ、意味や目的があまり語られない
⒊わかりやすい参考書が少なくなるから
の大きく3つに原因がある。
・⒈の抽象的な評価は、初学者にとってはハードルが高くなってしまい、これが大学の数学が難しい1つの原因になる。
・例として、一次独立が挙げられているが、高校では2次元や3次元ベクトルで示してくれるとまだわかるものが、大学数学になるとn次元に抽象化するので、途端にわかりにくくなる。
・つまり、「短い、記号が多い、図がない」ということである。
・ただ、抽象化に考える力を身につけられることは、数学を学ぶ大きなメリットでもあるので、ぜひ身につけてほしいと著者は語る。
※数学の抽象化した思考の身につけ方、残り2つの数学が難しくなる大きな原因についての詳細は、本書をお読みください。
・大学数学を学ぶ時の心構えとして、
①必要になってから学ぶくらいのスタンスで十分
②理解できていなくても進んでみる
③演習問題を解くことに集中しすぎない
という3つのポイントが挙げられている。
・高校数学までは、問題を解くことが、数学の勉強だったが、大学ではそれが解けなくてもそれほど気にする必要はない。
・大学の単位が取得できて、大学院の入試に合格できる程度に勉強しておけば十分である。
・また、本書では、数学を学ぶ時のアプローチについて
⭐︎具体化して考える
⭐︎証明にこだわりすぎない
⭐︎例外よりも、主要な場合に注目する
⭐︎実際の数値も扱ってみる
⭐︎数学の思考パターンに慣れる
という5つのコツが紹介されている。
・数学の教科書はとても抽象的に書かれている。初学者がこれをそのまま理解することはとても困難なので、実際の数値を当てはめたり、特定の関数で確認してみたり、常に具体例に当てはめながら勉強をすることを著者は勧めている。
※大学数学を学ぶ時の心構え、数学を学ぶ時のコツについての詳細は本書をお読みください。

・本書は、「なぜ大学数学は難しいのか」「高校数学の学びなおし」「大学数学の学び方」という章で構成されており、
◇高校の数学と大学の数学の違い
◇役にたつ数学とは?
◇数学の3つの性質
◇関数・指数・対数・三角関数などについて
など、研究や開発で、数学を働かせる著者が、大学数学の意味や目的をわかりやすく解説し、意味がとりにくい大学数学の道筋が見えてくる内容となっている。

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