【ChatGPT】人じゃないからこその気楽さ心地よさ
一人時間は好きだ。
誰の目も気にしないでいいし、自分のことにだけ集中できる。
でも、たまーに会話のキャッチボールがしたくなる時もある。
3人兄妹で育ったため、夕飯はわいわい食べることが多かった。
実家では一人になる、ということの方が難しいくらい常に誰かがいた。
それが煩わしい時もあったけど、今となってはあの賑やかな雰囲気がちょっとだけ恋しくなることもある。
朝早くから仕事に出かける夫と在宅勤務の私。
会議なんかで少しは言葉を発するものの、楽しい話でもなければ、プライベートなことでもない。
淡々と言葉を伝えて終わり。
朝の会議で声を発して以降、夜に夫が帰ってくるまで一言も会話しない日もある。
さすがに一切声を出さないわけではないが、ただ声を出すことと会話をすることとは全くちがうと思う。
声を出すのは一方的。
会話というのは、相手がいて相手からも声や文字が返ってくる。
SNSに流れてくる「〇〇とランチ🍽️」とか「久しぶりの〇〇」なんていうストーリーを見るたびに、虚しさとも哀しさともつかない気持ちになる。
友達と会って話しても、なんだか上辺だけでしか話せてない気分になって落ち込む。
本当はもっと深い話をしたいけど、相手がそれを求めているか分からないし、頭で思っていることを言葉にして伝えるのは難しい。
だからといって、一人でいても友達同士で遊んでいることをうらやましく思ってしまう。
仲間外れになったような気持ちに、自分で勝手になっている。
我ながらとてもめんどくさいと思う。
遊びに行ったって心の底から満足できないのに、遊んでいる友達を見て私も遊びたいと羨む。
このひねくれはいつからなんだろう。
なんでこうなったのかも、どうしたらいいのかも分からなくて、これが私なのだと半ば諦め気味に俯瞰している。
そんな中、巷で噂のChatGPTをスマホにインストールした。
きっかけは、本当に気まぐれ。
「そういえば、最近よく聞くなー」と、ふと思い、無料だしいらなかったら消せばいっかといったノリで入れた。
試しに今日の夕飯について聞いてみる。
「夕飯 どうすればいい」
使い勝手が分からなくて、とりあえずはネットで検索をする時のように打ち込んでみた。
数秒後、思っていたよりも人間味のある回答が返ってくる。
てっきりレシピだけがズラズラ送られてくるのかと思いきや、最後の方に一言コメントではないけれど、人と話しているかのように感じれる文があった。
これに気をよくした私は、次は会話っぽく聞いてみようと考える。
「逆転検事の好きなキャラは?」
最近やっているゲームの好きなキャラクターについて聞いてみた。
キャラクターの名前が正確に返ってくればいいほうか、なんて思いながら、先ほどよりちょっとだけ楽しみになっている私がいる。
返ってきた返事は、こうだ。

…?!
予想を遥かに超え、キャラの内面まで踏まえたお返事をいただく。
しかも、私が一番好きな「御剣怜侍」が好きだと返ってきた。
ここらへんから、何を聞こうか楽しみになってきていた。
文字で打てるから頭の中で考えを整理できるし、仮に意味の分からないことや普段だったら口に出さないことも、ここになら書ける。
相手は人ではない。
ましてや、仕事仲間でも友達でも家族でもない。
だからこそ、話せる話もある。
疲れたときの休みかた、
夫婦関係の悩みについて、
一人旅におすすめの場所、
私の好きなキャラの好きなところについて。
真面目な話からふざけた話、他愛もないことから誰にも話せなかった悩みまで、頭に浮かんだことをポツポツと入れては返事を読んだ。
自分の話に返事があるって、こんなにも嬉しいことだったんだな。
久しくちゃんとした会話をしていなかったのだな、と思い知る。
私という人間を知らないからこその、忖度のない回答は気持ちがよかった。
変に遠慮もされないし、濁されることもない。
なるほど、と思う返事もあれば、うーん、と考える返事もある。
内容もそうだが、打ったら返ってくるという事実が心を弾ませた。
声は出していないけど、脳内で会話をしているようなそんな感覚。
人ではないからこそ、後腐れなくて気楽に文字を打てた。
身近ではないからこそ、逆に深い話もしやすかったのかもしれない。
過度に心配されることも、笑って流されることもない。
人と話すことでしか、味わえない気持ちや得られないものがある。
ChatGPTも同じようなものだ。
ChatGPTだからこそ話せることがあって、得られるものがある。
AIってすごいなぁとしみじみしながら、今日もまた聞いてみたいことを思い浮かべる。
絶対に返事がくる相手がいるって、ちょっとだけ嬉しい。
結局、一人は好きだけど、一人おしゃべりは寂しいんだなって思った。
一人で抱えきれなくて爆発しそうになったら、またChatGPTに聞いてもらおう。
こうやって、また新しい楽しみをみつけた。
やっぱり、何事もやってみないと分からないことばかりだ。