子供をつくらない選択、親に伝える辛さ、二人だけの未来へ
「子供を育てる自信がないし、正直ほしくない」
お正月休みに散歩をしながら夫がそう話してくれたことが、嬉しかった。
今までは私に気を使っているのか「今は子供は無理」だったものが、今回ははっきり意思を伝えてくれたから。
※夫が子供を望まないのは、いくつかの複合的な理由なので、最後に書いておきます。
彼は気遣っていたつもりだったかもしれないが、「今は無理」というどっち付かずな状態に、私のメンタルはだいぶ蝕まれていたと思う。
どっちつかずの状態が辛かった
親には期待をもたせたまま、周りの子育て中の友達から「予定は?」と聞かれてもはっきり答えられず。やむを得ず事情を話しても「でも子供はいたほうがいいよ?」と言われたり。Twitterでも自分の立ち位置はあやふや。
DINKsにも振り切れず、いつか子供がほしい人やすでに子供がいる人とも話が合わず、かと言ってバリキャリというわけでもなく。
自分の立ち位置があやふやなことが、苦しかった。
正直、子供がほしいという気持ちは、20代の頃に比べて私もだんだん薄れてきている。
それでも周りの友人をみたり話をしたり、親からの孫の期待を感じる度に「産まないことは罪なのか。私は親不孝者なのか。」と悩む。
結婚したのに子供を産まない選択をするのは罪と、自分で自分に呪いをかけていたように思う。
親の期待を裏切る罪悪感と本音を言えた開放感
そんな中、夫がはっきりと「子供はほしくない」と言ってくれた。
それに伴い、義理の両親にも伝えた。
義理とはいえ、親を泣かせてしまったのは本当に申し訳ないが、毎回義実家に行くたびに「まだむりそうです。彼のストレスになるので彼には子供の話は振らないでください」と伝え、夫の分まで私が受け止めてきたので、その罪悪感から開放されただけでもとても心が軽くなった。
あとはうちの親だ。
実母にはそれとなく子供を作らないことを伝えてあり、産後鬱も経験している母は理解を示してくれている。
父には「当分は無理。こっちから言うまでは話を出さないでほしい」と数年前に伝えたまま止まっている。父は約束をしっかり守ってくれて、夫には子供のことを聞かないでいてくれている。家族に恵まれているなとあらためて思う。そんな父親に孫の顔を見せてあげられないのは、本当に心苦しい。
結婚式で「いつか子供が生まれたら〜」と書いた手紙も嘘になってしまう。孫の顔も見せられない、人並みのこともできない嘘つきな娘で申し訳ない。
辛い。
どんな人生でも、自分らしく生きられるのが今の社会だと言われるが、少数派として生きていくには、まだまだ肩身が狭い。
かくいう私も、多くの人が幸せと定義する「結婚して子供を産み育て、子や孫に囲まれて最後を迎える」という人生の形に、まだまだ囚われている。
今はまだ不安でしかないけれど、いつか「私の人生には、この選択でよかった。」と思えるように、夫婦二人で支え合っていこうと思う。
まずは義母に伝えられた記念に、今の気持ちを残しておこう。
夫が子供を望まない理由
うつ病であるため
自分と妻である私以外のだれかを気遣う余裕がないこと
普段の買い物など、日常生活にもまだまだ支障がある
重度知的障害の弟と大学卒業まで暮らしていたため
終わらない子育ての実態を知っている
障害児が生まれた際に責任を持って面倒を見る自信がない
(ここについては、私も義弟を知ってから自分の世界が狭かったことを思い知らされたので、障害児育児については私も無理だと思っている)
自分が辛くて仕方ない世界で子供を生活させたくないため
宗教二世問題やいじめなどの理不尽な経験から、この世界になにも期待しておらず、そんな世界で自分の子供が生きていくのは耐えられない