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「お父さん」
2024/11/12(火) PM2:27記
「お父さん」
そう呼ばれた。
正確には目の前で,自ら何度も発することで繰り返させた。
更に言うなれば,
「お父さん」ではなく「とーしゃん」。
もっと舌足らずだったが,文字起こしが難しい。
何と呼ばせるかは各家庭の方針による。
或いは特に意志はなく,なすがままにという場合もある。
保育園で勝手に覚えてくるから。
しかし願いが叶うなら私は「お父さん」が良い。
別にかぐや姫さんの『うちのお父さん』に憧れている訳ではない。
何となく自分がそのように育ったから。
妻も恐らく同じ考え。
その証拠に長男は我々のことを其々「お母さん」「お父さん」と呼ぶ。
どこで覚えたのか,たまに「おとん!」とか「親父!」とか言う。
まぁ,半濁音が連続する例の呼称よりかは幾らかマシだ(あくまで自分がそう呼ばれるのが擽ったいだけです)。
幼子には発音が難しいかもしれない。
しかし,成長して他人に自分の両親を語るシチュエーションに遭遇した時だけ言い方を変えるのは,些か煩わしいだろう。
形式ばった場面では,流石に「母」「父」などと恣意的に敬称を略する必要があるが,それ以外はかなり万能。
家でも外でも。
長年苦楽を共にする人物への呼称を変更するのは,呼ばれる側が考えるよりも遥かにハードルが高いもの。
私もそうでした。
最初は「お母ちゃん」「お父ちゃん」だった。
これを「お母さん」「お父さん」に呼び変えるまでの違和感たるや否や。
これは子→親に限らず,逆もそうだろう。
寧ろ親が子を呼ぶ場合の方が,変えづらいかもしれない。
大人は外でだけ呼び名を変えれば良いし年の功もあって,その臨機応変さは持ち合わせているのに対し,子は外でも家でも統一しないと混乱するというか,使い分けすることまで頭が回りにくい。
事実,私の両親は未だに幼少期のあだ名でわれわれ兄弟を呼称している。
なので文字数の合理性を除けば,長期使用及び多様なTPOに対応が可能である呼び名を推奨している無職のお父さんです。
まぁ呼んでくれれば何でも良いのだけど。
以上,「おい!」とか「なぁ!」になりませんように。