
見つめ合うおじさん達のプライオリティー
2024/10/20(日) PM6:07記
昨日の仕事終わり,電車の中。
駅構内のパン屋で買ったコーヒーを片手に優先座席へ。
ローカル列車の座席にプライオリティーも何もない。
席を譲る場面に遭遇することは殆どないと言っていいだろう。
なんたって高確率で4人席を独り占めできるのだから。
たまたま,この日は普段より早い電車に乗ったため,4人席は一杯。
正確に言えば,大抵の人が対角線上に座っているので,空席率は50%なのだが,わざわざ25%にする勇気はない。
従って,やむなく空いている優先座席に腰かけた。
背もたれ付近にある車窓のニッチにコーヒーを置いて。
鞄は膝へ。
折り畳み傘はどこに置こうか。
とりあえず背中の隙間にでも。
後は目的の駅に着くまでボケーっとするだけ。
向かいの席に目を向ける。
仕事帰りと思われるおじさんが,私と全く同じ軌跡を辿ったであろうという居住まいで,こちらを見つめていた。
そうだよね。
最優先実施事項はコーヒーの置き場所確保だよね。
そこに置くしかないよね。
たまに倒れないか心配で,飲む時以外も手に持っちゃうよね。
あと傘も置き所に微妙に困るよね。
目は口ほどに物を言う。
見つめ合うおじさん2人は,写鏡のよう。
2人だけの世界。
今なら開けそう。
マジカルステージ。
傘をスティックに見立てられないこともない。

このまま2人で乗り続けていれば,終着駅の表示がMAHO堂に変わるのではなかろうか。
いや,きっとそうだ。
終点まで行っちゃおうか。どーしよ?(どーする?)
「次は〇〇,〇〇」
あ,降りよ。
暇潰しの妄想に終止符を打ち,降車の準備をする私。
おじさん,裏切ってごめん。
(勝手に同志にされて勝手に裏切られるおじさん。)
降りる前に,かつての仲間の姿を目に焼き付けておこう。
彼はいそいそと降りる準備をしていた。
やっぱりマジカルステージ開けるかも。
以上,おじさんのテカテカヘトヘトは年中無休!