
真打と影打
2024/12/4(水) AM8:59記
今回は,あまり面白くない話です。
面白くないのは毎回なのでは?という悲しい事実には目を瞑ってください。
一昨日,とあるアニメのリメイク版を観ていた。
フジテレビ系列で毎週水曜に放送されいたものを,当時はリアルタイムで楽しんでいたことが懐かしい。
そのアニメとは,毎週月曜12:00更新の『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』。
只今放送中のシリーズは,みんな大好き京都動乱編である。
未視聴の方にはネタバレになってしまうので,行末が気になる方は,ぜひ本編で。
最新話は剣心が初めて対峙した十本刀,刀狩の張を逆刃刀・真打で一閃する回。
本記事のタイトルにした真打とは何か,ご存知でしょうか?
私は『るろうに剣心』で真打という言葉の意味を知りましたが,刀を打つ際は同じものを何本か打つそうです。
中でも一番出来の良いものを真打として献上あるいは奉納し,他は影打として手元に残したり知人に譲ったりするというように説明されていました。
逆刃刀・真打を拵えた新井 赤空の息子夫婦が解説しているセリフをリメイク版で聴きながら,小学生の頃に初めて覚えた内容が大人になった今でも,消えずに残っていることに『るろうに剣心』の偉大さを感じずにいられません。
村長について,そんちょう以外の読み方を学校の先生に聞かれた時,むらおさと答えられたのも『るろうに剣心』のお陰です。
赤報隊や紀尾井坂の変,廃仏毀釈など後々習う歴史も初見は『るろうに剣心』だった。
漫画が大好きで,お手伝いや新聞配達で貯めたお金,子供会の行事で貰った図書カードなどを駆使して色々買い漁っていた幼少期。
成人するまでに実家に積み重なった漫画は,1000冊近いと思われるが,読み返した回数で言えばトップクラス。
一字一句とは言わないが,アニメで流れるシーンからキャラクターが,次に発する殆どのセリフを空で予測できる。
無論,妻や息子からはバカにされるので,このように対処する。
「間合いのない密着状態から上半身のバネのみで繰り出す牙突零式喰らわせたろかい!」
とか
「第一撃目の衝撃が物体の抵抗とぶつかった瞬間,拳を折って第二撃目を入れることで,抵抗を受けることなく完全に粉砕する破壊の極意喰らわせたろかい!」
など。
そして最後にこう告げるのだ。
「お前らとは読み返してきた試行の数が違うんだよ。」
無論,無視である。
まぁ兎に角,私が所有する漫画の中でも『るろうに剣心』は,真打と言っても過言ではない。

大人も子供も愉しめる少年漫画『るろうに剣心』は,副題にもあるように浪漫溢れる作品。
妻や息子から蛇蝎の如く忌み嫌われようと一向に構わない。
これからもブツブツ独り言でセリフを言いながら,愉しく視聴を続ける所存。
そんな決意の句をおいて終幕といたします。
我を斬り 刃 鍛えて 幾星霜
子に恨まれんとも 孫の世の為
以上,家族から父は影打だと陰口をたたかれませんように。
追伸.
真打登場の真打は,落語家や講談師の身分らしく,トリを飾る芸人が最後に,灯である蝋燭の芯を打つ(火を消す)ことから転じた謂れがあるそうです。