アリソウデナイ
2024/9/16(月) AM10:24記
一昨日の土曜。
いつもの店舗で店長に当たる方と2人勤務。
晩夏を感じさせない暑さ。
3連休で旅行されている方が多いのか,はたまた気温のせいで皆んな外出が億劫になっているのか,来店数は少なかった。
週末らしからぬ有閑さ。
撮影したり,事務作業したり,雑談したり。
お客様ともゆっくりお話しできる。
混雑時は要点だけお伝えする商品説明に時間をかけられたり,小ネタを挟めたり,ラジバンダリ。
今回は,繁忙であるか否かに関わらず私が接客時に気をつけていることを1つ述べよう。
過去に投稿した,関西電力さんが保険代理店事業に参入した!という記事でも少し触れた件である。
接客時の言葉遣いで,
「ありそうでない」
これを無責任に多用しないこと。
多用しないというか,接客時にこの言葉を使ったことは恐らくない。
何故か?
どうしてありそうでないと言い切れるの?
そう思うからです。
ありそうでないと断定するのは,言い換えれば全ての服を見てきたと公言しているようなもの。
私はそんな大それたこと,とてもじゃないが言えない。
事実,目にしたことのない服の方が多いわけですから。
しかしながら,意外と軽々しくこの言葉を使っている方は店員さんだけでなく,製作や広報に携わる方にも多い。
実店舗での会話や,何かしらの媒体で目にしたり,耳にしたりした時,いつも思う。
本当ですか?
アナタが経験した狭い世界だけの話じゃないんですか?
さも一般論のような口ぶりで,興味を惹こうとするくらいなら,私は見たことないです!の方が潔くて好きだ。
一風変わったように見えても,参照元がある場合がほとんど。
既存のアイデアを組み合わせた斬新な物や,全く新しい物もあるとは思いますが,それが唯一無二であるかは網羅的に把握している方でないと分からないはず。
従って私は使わない。
ありそうでないを。
では,私はどう表現しているかというと,
「既製服ではあまり見かけないかもしれませんね。」
「1つ1つは古着によくあるディテールですが,複合しているのは斬新かもしれませんね。」
などと言っています。
ズルい気もする笑
しかし,少なくとも嘘はついていないし,知ったかぶりもしていない。
私なりに真摯に対応しているつもりです。
発言の確度を高めるためには,洋服の知識を増やす他ない。
だから,取扱い商品以外の情報を貪欲に,そして能動的に吸収する気概が,エンドユーザーに最も近い我々には必要なんだと思います。
遅咲きで洋服業界に足を踏み入れた私が,この世界に蔓延っている違和感を,消費者目線で一石投じるような記事を,時折したためますのでよろしければ今後もお付き合いいただければ幸甚です。
以上,お客様がアリソウデナイに踊らされませんように。