オシャレは裏地から
2024/11/26(火) AM11:49記
日曜に来店されたご夫婦。
お揃いの上着をお召しだった。
古からのロングセラー,『Barbour(バブアー)』である。
SPEYとBEAUFORTだったので,其々ご着用のモデルは異なりトレンドの短丈を奥様が,定番人気をご主人が。
その組み合わせも素敵だなぁと感じました。
既知の人からすれば,こそばゆいリンクコーデかもしれませんが知らない人からすれば,どこか似てる雰囲気のアウターで統一感あるなぁと思わせる感じ。
結局,『Barbour』って色褪せない。
クラシックスタイルと言っても過言ではないと思います。
いつぞや『kolor』の記事でも伊藤忠商事の概要をしたためましたが,ロゴが全面的に主張された商品はさておき,定番品は他人と被るとか,ありきたりだとか,そういう軽薄な概念は超越しているモノだと私は考えます。
さて,そんな時代に左右されず長く愛される,そして愛していける『Barbour』の魅力のほんの一部をご紹介します。
細かいモデルや,性能,歴史,ロイヤルワラントの編成などは擦り倒されているので,今回は私が接客したご夫婦の旦那様からチラッと見えた裏地を主にフューチャー。
Barbourってオイルドコットンクロスでその名を馳せているイギリスブランドの代名詞という印象が強いですよね。
昨今のオイルは改良され,匂いやベタつきが軽減されており,そのまま保管しても問題ないのですが,私は何となく裏返しちゃいます。
そうすると見えるのが,裏地のチェック柄。
着用時には殆ど見えませんが,前を開けていれば時折チラッと覗く。
普段は見えない,或いは視認できる面積が小さい部分こそ手抜かりのないように。
それがオシャレの基本の1つ。
ところで,この裏地のチェック柄はどこの生地メーカーのものかご存知ですか?
答えは,『Kinloch Anderson(キンロック アンダーソン)』。
1868年にスコットランドで創業したキルト/タータンメーカーで,NEJIを手がける鶴田 啓さんがシーズナルディレクターに就任したことでも話題です。
Barbourのチェックは,かつて誰もが知る由緒正しきタータンが使われていた時代もありますが,現在のインラインモデルはハウスチェックで,主に以下。
また,襟のコーデュロイは此れまた英国の生地メーカー,『BRISBANE MOSS(ブリスベンモス)』。
ファスナーも最近のモデルは,日本が誇る世界の『YKK』が主流のようですが,ヴィンテージでは他社製を確認できます。
歴史あるだけにモデルのみならず,ディテールを深掘りする楽しみが洋服好きの心をくすぐるブランド。
特にメンズファッションには欠かせないアイテムというのが私見です。
などという野暮ったい感想は無しにしても,何せ便利です。
大体のスタイリングにハマりますし,機能的にも日常使いに富んだアウター。
付属のライナーを装着すれば,暖冬傾向にある日本の真冬ならモーマンタイ。
カッコ良くて3シーズン使えて,後世に引き継げる。
色々言われてるかもしれませんが,やっぱり最高だなと,日曜日よりの使者に再認識させて貰えた昼下がりのひと時でした。
以上,細部に注力する洋服好きが増えますように。