ミスディレクションオーバーフロー
2024/9/20(金) AM11:45記
昨日は1人勤務。
他のスタッフは休暇や出張で不在のため,白羽の矢が。
帝光中学,幻のシックスマンの登場である。
いつもの電車に乗るため駅へ。
改札に不吉な張り紙。
「雨による運行見合わせのお知らせ」
他に通勤手段がない私。
試合終了のお知らせ。
焦る気持ちがイグナイト。
運行再開の予定は午前10時。
店舗の最寄り駅まで45分。
開店時間は11時。
ギリ間に合いそう。
よし,隣の売店でコーヒーでも買うか。
時刻は8時。
再開予定まで2時間か……。
暇暇暇暇暇ァ!!!!
バスが出てないかなぁ。
諦めたらそこで試合終了って言ってたし。
違うバスケ漫画だけど。
監督(妻)から譲り受けた無駄に重たいiPhone11 Proで調べる。
何かありそう!
当駅から店舗最寄り駅までのバスありそう!
時刻表は!?
「〇〇駅 ◇◇駅 バス 時刻表 🔍」
出ない。
出るのは路線名や経路のみ。
何でですかね?
検索方法に定評のある中年のパートを自負していますが,この手のバスの時刻表に1発で辿り着いた試しがない。
地方の交通会社の陰謀なのか。
簡単にヒットすると思っているのか?
「頭が高いぞ」
そんな睨まなくても,電車遅れている事実を知った時点でブレイクしているよ。
アンクルもメンタルも。
足腰に鞭を打って,起き上がり再検索。
「〇〇交通 バス 時刻表 🔍」
出た。
当該ページで発着駅を選択すると出た。
何か間に合いそう。
電車の再開予定は遅れる可能性もあるし,バスの方が到着が早そうだ。
さて,乗り場はどこですか。
分からん!笑
2時間の暇も潰せない田舎でも,普段利用しないバスの乗り場は分からないものだ。
諦めかけたその時。
丁度向かいのロータリーに停車中のバスが目に入る。
横顔から微かに見える行き先の電光表示。
あれはもしや目的駅の一文字目では?
電光石火。
急いで横断歩道を渡ろうとするが信号は赤。
この間に出発してしまったら,それはそれで面白いな。
無駄に冷静。
青に変わる。
電光石火再開。
運転手さんに聞く。
「これって〇〇駅まで行きますか?」
「うん。行くよ。」
やった!!!
YATTA!
「Suica使えますか?」
「現金のみだねぇ。〇〇駅までは840円。」
終わった……。
バイQ〜。
何せ財布の中は空っぽ。
消える硬貨。これがファントムシュートの正体かぁ。
駅構内や周辺にATMなどあるはずもない。
時刻は8時13分。
一応,聞く。
「出発は何時ですか?」
「8:25だね。」
何故聞いた?という運転手さんの顔を目に焼き付けてバスを降車。
戻り足で何となく駅へ。
あと12分かぁ。
12分?
奇しくもNBAの1ピリオドと同じ時間。
諦めるな!そう言われた気がした。
待てよ!
何かに気づき鞄を漁る。
あった!茶封筒!
入っていた!
神々しく光り輝く福沢さんが!
ありがたや!ありがたや!
この度は杜撰な己の性格に厚く御礼申し上げます!
三度の電光石火!
バスに乗り込み両替だ!
「万券使えますか?」
「使えないねぇ。」
再び,降車。
この男は何回,停まったままの筐体を乗り降りするのだろうか笑
もう他の乗客の目など気にしていられない。
ミスディレクションオーバーフロー発動!
どこか両替できるところ……。
さっきの売店だ!
昨今は世知辛く両替のみの利用は断れることもしばしば。
しかし,可能性はここにしかない。
一縷の望み。
「どうしてもバスに乗りたくて!」
簡潔に紳士的に事情を話す。
頼む!
首を縦に振ってくれ!
ベルマークあげるから!
必死が伝わったのか,おじさんを哀れんだのか快諾してくれた店員さん。
ありがてぇ。涙が出る。
先刻,この売店でキンキンに冷えたコーヒーとサラダ巻きを購入したことが,功を奏した。
さっきここで買い物したおじさんだよ!と目で訴えながら,バスへの熱い思いを告げていたのだ。
ひらすらお礼を言い外へ。
もう我が家のように慣れ親しんだバスの乗り口。
「おかえり」
ようやく,暖かく迎えてくれる気になったか。
運転席の横にある無機質な鉄の塊に千円札を吸わせる。
両替されたコインを回収しながら,運転手さんに聞いてみた
「お騒がせしてすみませんでした。因みに,次は何時発なんですか?」
「確か8:50だねぇ。」
急がんで良かったやん!笑
何がNBAや!
ミニバスなら1試合できる時間あったやんけ!
田舎のバスなら相場は1時間に1本でしょう?
検索した時刻表をよくよく見たら平日の朝夕は多少,手厚い本数になっているようでした。
愛和学院との試合前に全てを出し尽くした私は,疲れ果て店舗に到着する頃にはミスディレクション発動。
おかげで来店2名。
1人勤務を良いことに取扱商品ではなく,自分の好きな私服を着て坦々と事務作業をこなす幻のシックスマンなのでした。
以上,2度と財布の中までミスディレクションの余波が及びませんように。