ドル円は177円まで上昇する。
4月10日にドル円が152円を超えました。テクニカル分析の観点では、152円という分水嶺を超えたことは、ドル円が今後160円も170円も超えて上昇することを意味します。この記事では、テクニカル分析に基づき、この見通しの理由と最終的なドル円の上値について解説します。
①ドル円は2022年から15カ月間、発射台を作っていた
ドル円は、2022年10月21日、2023年11月13日、2024年の3-4月にわたって152円に繰り返しトライし、跳ね返されてきました。4月10日についに152円を付けた後は、堰を切ったように153円、154円と上昇しています。
この値動きをテクニカル分析の視点で見ると、2022年10月21日から2024年4月までの15カ月間、ドル円は上昇三角形(Ascending Triangle)という上昇パターンのチャートをじっくり作り上げています。その間、152円手前で繰り返し跳ね返されては下値を少しずつ切り上げていますが、これはドル買い円売りの需要が高まってきたことを示しています。
4月10日に152円の上値ラインを超えたことは、ドル円が今後上昇するための発射台(上昇三角形)が完成したことを意味します。
②ドル円の目標値は177円
上昇三角形というチャートパターンの目標値は、上値ライン(152円)から上昇三角形の下値(127円)を引いた値(25円)を、上値ライン(152円)に足した177円です。
ドル円が170円台まで上昇すると言うと、荒唐無稽なことのように思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、ドル円が151円90銭を付けた2022年10月21日以降、ドル円が152円で何度も跳ね返されている間に、ユーロ円は148円から165円(2024年3月21日)に上昇し、ポンド円は172円から193円(同左)に20円前後上昇しました。次はドル円にその順番が回って来てもおかしくはありません。
ファンダメンタルもドル円の上昇を支持しています。マーケットは年初には米国の中央銀行であるFRBが年内に7回利下げすることを織り込んでいましたが、米国の雇用統計や物価統計が米経済の底堅さを示す度に利下げ観測が後退し、足元では年内の利下げは1回か2回、場合によっては利上げが必要かも知れないという見方がなされています。このため、ドル円が連動しやすい米長期金利が4.50を超えて上昇し、4月15日時点で4.66に達しています。また、原油価格(WTI)も上昇し、80ドル台後半に達していることもドル円の上昇を裏付けています。
もちろん、177円まで一直線に上昇し続けることは無く、2022年や2023年と同様に、波打ちながら上昇し続けることが想定されます。
本記事をお読みいただき、ありがとうございました。
次の記事では、ユーロ円やドル指数の見通しについて解説する予定です。
次回もどうぞお楽しみください!
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ドル円やユーロ円について、テクニカル分析に基づき、今後数年間の見通しを説明する記事をまとめました。どうぞご覧ください。
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