強迫性障害(OCD)の私のサバイバル記録
(症例を具体的に記載しているので、同じ病気の方は閲覧にご注意ください。)
なかなか終わりが見えないこの世相で、強迫性障害(OCD)の中で「疾病恐怖」に分類される私が日々どんな思いで生活しているか記してみようと思う。
蒸し暑い季節になって、エアコンをつけていても顔や体がぱっと火照るときがある。
反対に、エアコンが効きすぎて「ぶるっ」となるときがある。
そんな時はたちまち「熱が出たのだろうか」という恐怖に襲われる。
以前だったら何種類もの体温計を取り出して何度も何度も、左右や測る位置をずらして体温を測っていた。15分ぐらい経ったらまた同じ行動をしていた。
今はそれを止める訓練をしていて、もうすぐ5か月が経つ。
それでも恐怖感そのものは無くならない。
5か月近く経っても「今日も体温を測らずに済んだ」と指折り数え続けないとまた同じことになる可能性があるのだ。
「体は怠くない、普通に動くことができる、だから大丈夫」と自分に言い聞かせ、家事やゲームなどをして気を紛らせなければならない。
また、エアコンで喉がチクッとすることがある。
ストレスで喉に違和感を覚えることがある。
これもまた、恐怖に襲われる。
飴を舐めたり水分を摂ったり気を紛らせたり、どうしてものときは常備してある喉の痛みに効く漢方を飲んでしまうことがある。
どこまでの活動(運動や外出)が自分にとって疲れが溜まるのか正常な判断ができなくなった。
最も酷かったときは自宅から500m先の公園まで散歩することすら、疲れて体調を崩す可能性があると思い込んでいた。
出張ができなかった。
職場とスーパーとドラッグストア以外の場所に行くのは怖かった。
疲れて体調を崩す恐怖が頭から離れなかったのと、そこ以外の場所はすべて三密だと思い込んでいた。
その頃よりは緩和されたが、もし感染リスクが0だとしても旅行などのハードスケジュールは想像してみると怖くなる。
発症するまでは旅行が趣味だったというのに。
同僚や友人がカフェに行ったとかランチに行ったとかの話をする。
なぜそんな危険なことをするのだと心の中で憤る。
なぜ不特定多数の人がいる中でそんな無防備にマスクを外せるのかと理解に苦しむ。
外食は今でも全くできない。
ショッピングモールで仕事があったとき(行けるようにはなったが、恐怖感は残っている)、お昼休憩の時間に同僚たちがフードコートに向かう中、私は車の中で持参したカロリーメイトを食べた。
この病気は「やって後悔よりやらない後悔」になるものだと思う。
ここまで何もかもできない日々がずっと続いて「あの時思いきってやっておけばよかった」と思うかというと、全く思わない。
かつてのような生活をしたいのは紛れもない事実だが、それは今ではないのである。
今しかない日々が無に帰してでも、私は狭い箱に入っていたい。