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②管理者向け〜技能や技術スキルを評価する項目と方法について

1.はじめに

管理者向けのスキル評価について、今回は製造業技術系社員のスキル評価をイメージしてまとめておりますが、営業やプロジェクトチームを任されている管理者の方々にも応用出来ると思いますのでご参考にして下さい。


2.技術スキル

製造業では,多能工化が進み、外国人労働者を受け入れていく中で、技能や技術のスキルを的確に評価していないと品質や安全の問題が発生する可能性が高まっていきます。
そこで技術系社員の技術スキルの評価項目について、スキル評価の大項目と小項目に分類し、また具体例をまとめてみました。
更に、その評価方法についても整理していみましたので、職場のスキル評価改善の参考にして下さい。

製造業の技術系従業員の技術スキルの評価は、従業員の特定の職務と責任によって異なります。ただし、このような評価に使用できるメジャー及びマイナースキル評価項目の例をいくつか示します。

3.主なスキル評価項目

  1. 技術的知識:業務に関連する中心的な技術的概念の理解。製造プロセス、設備、及びツールに関する従業員の知識を評価します。ここには電気・機械・設計を解釈する能力も含まれます。筆記試験や面接等で評価できます。

  2. 問題解決:技術的な問題を特定、分析、解決する能力。製造プロセス中に発生する技術的な問題を特定、分析、及び解決する従業員の能力を評価します。これには、機器のトラブルシューティング、根本原因の特定、及び解決策提案をする能力が含まれます。状況判断テストを通じて、又は従業員に解決すべき問題を与えることによって評価できます。

  3. 品質管理:製品が必要な品質基準を満たしていることを確認する能力を評価します。これには、欠陥を特定し、それ以上の欠陥を防止するための是正措置を取る能力が含まれます。

  4. 安全:従業員の知識と、安全に関するガイドライン、プロトコル、及び手順の順守を評価します。潜在的な安全上の危険を特定し、事故を防ぐために必要な予防措置を講じる能力も含まれます。

  5. チームワーク:従業員が他のチームメンバーと協力して共通の目標を達成する能力を評価します。ここにはコミュニケーションスキル、他のメンバーをサポートする意欲、対立を建設的に解決する能力も含まれます。

  6. 実践的なスキル:技術的な知識を現実世界のシナリオに適用する能力。実地テストや従業員の勤務中の観察を通じて評価できます。

3.マイナースキル評価項目

  1. 時間管理:時間を効果的に管理し、タスクに優先順位を付け、期限を守る従業員の能力を評価します。

  2. 細部への注意:細部に注意を払い、仕事の正確さを確保する従業員の能力を評価します。

  3. 適応性:設備やプロセスの変更等、変化する状況に適応する従業員の能力を評価します。

  4. イニシアチブ:プロセスを改善したり問題を解決したりするためにイニシアチブを取り、職務の範囲を超えて行動する従業員の意欲を評価します。

  5. テクニカルコミュニケーション:従業員が技術情報を他の人(技術に詳しくないチームメンバーを含む)に明確かつ効果的に伝える能力を評価します。

4.評価方法

評価方法は、会社の方針や慣行によって異なりますが、考えられる評価方法には次のようなものがあります。

  1. パフォーマンスレビュー:従業員は、スキル評価項目を含むパフォーマンスレビューフォームを使用して、上司又はマネージャーによって年次又は半年ごとに評価できます。

  2. 360度フィードバック:スキル評価項目を含む360度フィードバックフォームを使用して、同僚、部下、上司から従業員を評価できます。

  3. 継続的な評価:従業員は、上司との定期的なチェックインや毎日の業績追跡等の非公式な評価を通じて、継続的に評価できます。

  4. 技術テスト:従業員は、職務に関連する特定の分野における知識とスキルを評価する技術テストを通じて評価できます。

  5. コミュニケーションスキル:技術情報を効果的に伝達する能力。これはプレゼンテーションやグループディスカッションを通じて評価できます。

  6. チームワーク:チーム内で効果的に働く能力。これは、グループタスクやチームメンバーからのフィードバックを通じて評価できます。

  7. 継続的な学習:技術スキルを継続的に更新及び改善する意欲と能力。これは、従業員のトレーニングプログラムへの参加状況や、新しいテクノロジーに適応する能力を追跡することで評価できます。

評価は、従業員の直属の上司又はマネージャーが行うことができます。場合によっては、外部の評価者を招いて評価を行うこともあります。評価は、技術的知識、問題解決、品質管理、安全性、チームワーク等、複数の軸で実施する必要があります。評価の結果を使用して、改善の領域を特定し、従業員にフィードバックを提供して、従業員がその役割で成長するのを支援する必要があります。

5.評価実施頻度

では、これら評価はどのくらいの頻度で実施するのが適当か?ということですが、技術スキル評価の頻度は、組織や仕事の性質によって異なります。但し、これら評価は毎年実施するのが一般的です。これにより、従業員がスキルを開発し、評価者がパフォーマンスの大幅な変化を観察するのに十分な時間が確保されます。
年次評価に加えて、四半期又は半年ごとにチェックインすることが有益な場合があります。これらは形式的な評価ではなく、評価によるフィードバックを提供し、問題に対処し、ハード&ソフトの改善する機会を得ることができるからです。

重要なのは、継続的な学習と改善を促す、一貫性のある透明性のある評価プロセスを作成することであることを忘れないでください。また、これらの評価の結果がトレーニングや能力開発の取り組みを導くために建設的に使用されるようにすることも重要です。

6.従業員へのトレーニングプログラム

評価を実施すると同時に、技術系従業員向けのトレーニングも必要ですね。
技術従業員のスキルを維持・向上させるために使用されるトレーニングプログラムをいくつか紹介します。

  1. オリエンテーショントレーニング:これは、新入社員が会社での役割に備えて準備する必要がある基本的な組織情報を提供します。

  2. オンボーディングトレーニング:これは、オリエンテーショントレーニングとは異なり、長期にわたる継続的なプロセス(最長1年)です。これは、新入社員が新しい職場でできるだけ早く有能な貢献者になれるように設計されています。

  3. 技術トレーニング:これにより、従業員はコア技術スキルを構築し、仕事の技術的側面を習得できるようになります。

  4. コンプライアンストレーニング:これは従業員に、職務又は業界の法律と規制について教育します。これらの法律は、職場の安全を維持し、従業員の不適切な行為を防止することを目的としています。

  5. 製品トレーニング:このタイプのトレーニングは、企業が新製品を発売するときに必要です。これは、従業員が製品の機能、利点、効果的な使用方法や販売方法を理解するのに役立ちます。

  6. 品質保証(QA)トレーニング:このトレーニングは、従業員が仕事の品質を維持するための基準と手順を確実に理解できるように設計されています。

  7. ソフトスキルトレーニング:これは、コミュニケーション、チームワーク、問題解決、リーダーシップ等の対人スキルの開発に焦点を当てています。

  8. 安全トレーニング:これは、従業員が物理的なリスクにさらされる業界では非常に重要です。これにより、従業員は安全に作業する方法と緊急時に何をすべきかを確実に知ることができます。

  9. リーダーシップトレーニング:これは、リーダーの役割に就こうとしている従業員を対象に設計されています。意思決定、紛争解決、チーム管理等のトピックを取り上げています。

  10. 再スキル化とスキルアップ:これらのプログラムは、従業員が新しいスキルを学習したり、既存のスキルを向上させてテクノロジーや業界のトレンドの変化に対応できるように設計されています。

これらの各トレーニングプログラムは、組織の特定のニーズや技術従業員の役割に合わせてカスタマイズできます。対面クラス、オンラインコース、ワークショップ、実地研修等、様々な形式で提供できます。形式の選択は、教えられるスキルの複雑さ、訓練される従業員の数、利用可能なリソース等の要因によって異なります。

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