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ぶどう畑と夕陽
家の西隣はワイン用の葡萄(ジンファンデル)を育てている。
葡萄を見ているとカレンダーがなくても
今がいつなのかがわかるくらい
日々姿を変える。
冬の間は、まるで杖に変身してしまったような姿でいるのに
春の訪れとともに
可愛い緑が現れる。
春は
その緑の葉が徐々に大きくなっていき
黄緑色の小さな実をつけ始める。
その実が大きくなって
日々紫色に染まっていく。
それが夏を知らせる。
葡萄畑に沈む夕陽は、一年中いつ見ても美しい。
夏は、葡萄の葉の緑色と夜八時を過ぎても青空が広がっている。
その色彩が、私の心に染み渡る。
私はそれが大好きで、夏の間は、シャワーを浴びて夕飯を食べたら
庭に出て、夕陽を眺めるのが日課。
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葉の色がオレンジ色に染まると
秋が来た合図
そしてまた杖に変身する。
それを繰り返しているように見えるけれど、
実は幹が毎年ほんの少しづつ太くなっている。
人間も同じなのかもしれない。