【テクノロジーで新しい書を考える_1】スマートグラスを通して見た「次世代の書」はコミュニケーションを豊かにできるのか
この度、新しい働き方LAB研究員第3期生に選出していただき、大人の自由研究をすることになりました。
【Lenovo指定企画】
スマートグラスで「働く」のウェルビーイングは高まるのか?
「書はわからない」や「読めない」と言われることが結構あります。
書に馴染みのない方、海外の方など異なる言語を使う方にも伝わる表現ができないだろうかと常々考えていました。本企画において、最先端テクノロジーと掛け合わせることで新しい書のカタチに挑戦し、コミュニケーションに活用することでウェルビーイングが高まるのか実験していきます。
■実験の目的と背景
書の歴史を振り返ると、文字が甲羅や骨に刻まれていた時代から、木や竹に記すようになり、紙の発明によって線のリズム、筆の遅速、にじみ、墨量などの表現から単なる文字を読むだけでなく、書かれた文字に込められた書者のこころを読み解くことができるようになりました。昨今では、パソコンやスマホでのテキストベースでのコミュニケーションが増え、より論理的なコミュニケーションになった反面、手書きの文字に潜んでいた気持ちやニュアンスを汲み取ることも伝えることも難しくなり、それを補う方法として絵文字やスタンプなどは著しく進化し続けていますが、どこか物足りなさを感じています。
そこで、デジタルになったことで失われてしまった手書き(アナログ)の良さを取り戻すだけではなく、デジタルだからこそできる表現を見出だし、従来の方法よりもさらに豊かで円滑なコミュニケーションの実現を目的としています。
■検証したいこと
今までの媒体ではできなかった新しいカタチの書がコミュニケーションに及ぼす効果を検証したいです。
1.次世代の『書』へアップグレード
文字や文章に潜んでいる気持ちやニュアンスを他のデバイスなどから得られる情報と融合させて、最新モードにデジタル表現された『書』へとバージョンアップをする。
2.コミュニケーションへの展開
次世代の『書』をスマートグラスを通して見ることで、文字や文章に込められた想いが拡張され、コミュニケーションが豊潤になるのか。
■活動の概要
現状把握 (アナログ表現とデジタル表現の強み/弱み)
次世代の書の表現方法のアイデア出し
実験案の策定と実験プランニング(目標設定)
次世代の書を使用したコミュニケーション実験の開始
実験結果、実験結果に基づく課題分析
レポートの作成
■アウトプット・成果
まとまった進捗は note に公開
気づきは Twitter は随時更新
検証に使用した次世代の書はInstagramに投稿
検証の様子は Instagramストーリーに投稿
■実験の測定方法
次世代の書は潜んでいる想いを表現できているか
① 静止した『書』 vs. 動いている『書』
まずは漢字一文字から始めてみる。らくがきARアプリを使用し、書いた文字が動き出すとどう感じるか検証する。
https://whatever.co/ja/work/rakugakiar/
②動きのバリエーション
動き方によって、意味の違いを表現することはできるか。もっと高度な動きの変化をつけられるARソフトを使い、漢字の意味違いが表現できるか検証。現実世界とデジタルの世界をつなげることができるというAdobeのAeroを使用予定。「コーディングは不要、必要なのは想像力です。」といフレーズを信じて挑戦してみる。
https://www.adobe.com/jp/products/aero.html書き手の想いは受け手に伝わったか
① 1-①で作成した『書』をどう思ったか
② 2-②動き方でニュアンスの違いを読み取れるか
③ 文字が読めない海外の方にも、意味は伝わったか?書道に馴染みがない人も楽しめたか?を確認
■その他
書道をしていると文字の均整が取れているかだったり、上手い/下手といったような評価が飛び交うのですが、このやりとりが好きではありません。
名書の多くは飲酒時に書かれたもの。素直な感情が乗っちゃった書に魅力を感じています。楽しんで書いたことが伝わってきたり、強い決意を感じたりと、書いてある文字以上の何かが伝わってきた時に相手のことが身近に感じられて、すごく嬉しい気持ちになります。
書家でありながら最先端テクノロジーおたくであるため、そんな感覚をどうにか拡張できないかと本テーマに挑戦することを決めました。書き手も受け手もみんなが楽しくなるなっちゃうような未来を期待しています。
書道、コミュニケーション、芸術が好きな方はもちろん、ARに興味ある方、書道に興味ないけどアートっぽいものを作ってみたい方、何か楽しいことができたら嬉しいです。
■スケジュール・進め方
2023年6月中旬~12月中旬の6か月間
・7月 研究員同士でアイデアソン!
・8月~11月 (月1回オンライン定例)
・12月 ピッチコンテスト(結果発表会)
■「研究員制度」の趣旨について
本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」に応募するために、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。