大人になるってなんだろう? [ほぼ毎日書くコラム]

20代前半のとある正月、僕は高校時代の友人を隣に乗せてレンタカーを走らせていた。埼玉に住む友人宅でプチ同窓会をすることとなり、そこに向かっていたのだ。その日、車の中で何を話したかはほぼ覚えていない。ただただバカみたいな話をして、笑い転げていただけだった。唯一覚えているのが友人のこんな一言だ。
「20代ってもっと大人だと思ってたわ。」

あれからおおよそ10年、僕はいまだに大人に近づいた感じがない。体力が落ち、酒を飲める量が減り、一度太ると痩せるのが大変になったが、中身は変わっていないような気がしてならない。もうすぐ子供が生まれてくるというのに、親である僕が精神的にこんなに幼くていいものだろうか……なんてことを考えて、ちょっぴり落ち込んだりする。

精神的に大人になるってどういうことなんだろうか?
気に食わないことがあってもその場で泣き叫ばない程度には、20代の頃から大人だ。だからと言って、飲み会の席で仕事の愚痴と保険の話しかしないのが大人ならば、別に憧れもしないし、株やら投資やらの金の話だけに終始して生きていきたいわけでもない。大人ってなんだ?

もしかしたら、僕の思い描いている「精神的に大人」という状態って、実態のないなんとなくの理想像なのかもしれない。具体像がないものに憧れても近づきようがないよなぁ、なんてことを思うのだった。

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