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2020年代にリリースされたレトロなアニメソング6選

21世紀がスタートして既に20年以上が経過。80年代、90年代と呼ばれたのは既に大きな過去となり、当時とは異なる新たなカルチャーが生まれようとしている。その一方で当時の文化を魅力を再発見しようという動きがあるのも事実。音楽の世界でそれは顕著に現れ、この流れはもちろんアニメソングの世界にも影響を及ぼしている。80年代や90年代音楽へのリスペクトが詰まった、いわばレトロなアニメソングが次々生まれているのだ。
今回は2020年以降にアニメソングから筆者がお薦めする「レトロ」なアニメソングを紹介していこうと思う。数的に5曲に絞りたかったところではあるが、どうしても絞りきれず6曲というきりの悪い数になってしまったのはご愛嬌ということにしてほしい。

『がくや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』オープニング 「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」

2019年にアニメソング界の大型新人として『がくや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』オープニング「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」を歌った「ラブソングの帝王」鈴木雅之。シャネルズやラッツ&スターのメンバーとして80年代を中心にヒット曲を多く生み出してきた鈴木は80年代の空気をそのままに、それを2020年式にアップデートした形で私たちに届けている。今回チョイスしたのは2020年『がくや様は告らせたい』シリーズの第二期主題歌のあたる「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」。その力強くセクシーな歌声に酔いしれてほしい。

『からかい上手の高木さん』エンディング 「夢で逢えたら」

これまでも往年のJ-POPカバーをエンディングとしてきた『からかい上手の高木さん』。その幅広い年代の楽曲の中でも一際レトロ感の強いのがこの「夢で逢えたら」ではないだろうか。1976年に吉田美奈子がリリースし、1997年には鈴木雅之によってもカバーされたことで知られる本楽曲。作詞作曲を担当したのは80年代、シティポップを代表するミュージシャンの1人、大瀧詠一だ。多くのカバーの中でも一際優しい歌声がシティポップ楽曲に心地よくマッチした本楽曲。要チェックな一曲だ。

『かくしごと』エンディング 「君は天然色」

「夢で逢えたら」の作詞作曲でも触れた、シティポップを代表するミュージシャン、大瀧詠一7枚目のシングルである「君は天然色」。本楽曲が2020年放映のアニメ『かくしごと』のエンディングとして使用された。これまでCMをはじめ多くのタイアップで今日まで耳にすることが多かった本楽曲。いわば80年代音楽のアイコンの一つとも言える本楽曲がアニメ主題歌となったのは実に衝撃的だった。アニメ映像も楽曲に寄り添うようにレトロな映像となっている。こちらも注目ポイントだ。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』挿入歌「YAMAZAKURA」

大瀧詠一と並ぶシティポップの重要人物、元シュガー・ベイブのメンバーでもある大貫妙子。彼女自身が作詞作曲をつとめ、歌唱もつとめたのがこの『サイダーのように言葉が湧き上がる』挿入歌「YAMAZAKURA」だ。劇中に登場するレコードに収めれているこの楽曲。これを聴いた主人公はそこにレトロさと、色褪せることのない魅力を同時に見出すこととなる。この文脈で使われるにこれ以上ないほどのふさわしいのがこの「YAMAZAKURA」だ。2021年に新たに生まれた、オリジネーターによる2021年式シティポップ、ぜひ堪能してもらいたい。

『オッドタクシー』オープニング「ODDTAXI」

PUNPEEとスカート澤部によって共同制作された本楽曲、スカート澤部曰く作曲の際にイメージとして持っていたのが大貫妙子の「都会」だったとのこと。いわばシティポップの文脈を現代的な再解釈で作られたのがこの楽曲「ODDTAXI」だ。このレトロでありながらも現代的なメロディ、そしてその上に乗るのはメロウなドラムとスカート澤部による優しい歌声、そしてPUNPEEの巧みなラップ。レトロという言葉にはおさまらない、しかしそれでいてシティポップの空気感もふんだんにまとった本楽曲。レトロという言葉が似合いながらも独特の進化を経た究極系がここにあるのだ。

『古見さんは、コミュ症です。』オープニング 「シンデレラ」

その80年代調のオープニング映像に驚いた人も多いだろう、『古見さんは、コミュ症です。』オープニング「シンデレラ」。鈴木英人調の絵柄を使ったオープニング映像はシティポップを思わせずにいない。その上にのるそのサウンドにも、やはり当時の空気感が大いに感じられる。本楽曲を歌うのは2014年結成のロックバンド・サイダーガール。ややメロウさも感じられるその歌声にも注目だ。

そして2022年4月からスタートする『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』では鈴木雅之の新曲「GIRI GIRI」もオープニングとして使用され、さらにレトロ楽曲への人気も高まるだろう。そして、90年代にヒット曲を数多くリリースした広瀬香美も「Venus Line」で『BIRDIE WING -Golf Girls' Story-』の主題歌を担当、他にも90年代楽曲のカバーも見られる。レトロサウンドのアニメソングブームはさらに加速すること間違いなしだろう。

そして、レトロサウンドのアニメソングをフォーカスしたアニメソングDJイベントがこの度スタートすることとなった。タイトルを『カトレアラウンジ』。実際に80年代、90年代にリリースされたアニメソングから、当時の楽曲へのリスペクトを感じる近年の楽曲までを楽しめるイベントとなる予定だ。詳細はイベントTwitterをチェックしてもらいたい。


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