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姫路市立美術館『隈研吾流オノマトペで見る建築 姫路編』

「姫路の三大建築美の真髄と可能性 姫路城、圓教寺そして美術館」

これは、本展の根幹をなすテーマです。
(略)
本展では、姫路城、圓教寺、美術館を、オノマトペで表現し紹介することで、それらの建築をヒューマンスケールで捉え直し、また、そこから連想する隈自身の建築作品を、模型や写真を通して紹介します。
(略)

「開催概要」

パラパラ、コツコツ、ツンツン、という3つのオノマトペを取り上げ、それらをイメージして設計した建築物の模型を並べた展示。

隈研吾と言えば、昨今毀誉褒貶かしましい、というか、多くの有名作品を手がける一方、批判的な言及が多く目に付くようになってきている気がする。

批判にもそれなりの根拠や説得力があると思うし、僕もどちらかと言うとそういう印象を持っているのだけれど、今展示は素直に楽しめました。

コルビュジエや安藤忠雄らが世間に広めて世界を席巻したコンクリート打ち放しの無機質なモダニズム建築を乗り越えるため、木材や石、日干し煉瓦などで、有機的な建築物を創り上げるという意志。

Coede House,静岡県熱海市,飲食店舗

モダニズム建築のイメージでもあるキューブチックな幾何学的形状ではなく、うねりをもった動きの感じられる形。

V&A Dundee,スコットランド,文化施設

隈研吾さんのエッセンスがとても良く抽出されていて、興味深く観覧出来ます。

ただ…

会場入口で流れているトーク映像で、隈さんは「改修、修繕といったものに関心が向いている」と語っている。

それは、有機的な、つまり生きている建築の生命を繋ぐために必要な行為であるのだろうけれど、そういうこと言うなら、那珂川町馬頭広重美術館のメンテナンスの件について、保護塗料の性能が低かった、なんて他人事みたいにコメントしてないで、もっと主体的にコミットすべきなんじゃないの?と嫌味の一つも言いたくなる。

会場では「姫路建築めぐりマップ」も配布されていて、安藤忠雄、黒川紀章、丹下健三のビッグネームの作品が密集している姫路城北側エリアの魅力も改めて確認できます。

常設展「國富奎三コレクション」

姫路市立美術館はベルギーコレクションが充実しているのだけれど、地元の医師である國富氏が寄託しているフランス近代画のコレクションがもう何年もずっと展示されている。

いい加減ベルギーコレクションも展示して欲しいのだけれど(デルヴォーなどビッグネームのみならず、フェリックス・ルーランという彫刻家の作品もいくつか所蔵していて、これがまた素晴らしいのだ)、今回は少し展示替えがあり、ルノワールのデッサン画なども出ています。ルノワールは色彩がなくともルノワールなのだな、と感心しました。

いくつかの作品を除き撮影可にもなっていました。

中谷芙二子「霧の彫刻」

中庭では、毎時0分と30分に、中谷芙二子さんの霧の彫刻が公開(で良いのかな)されたいます。

中庭の彫刻や赤レンガの建物が霧にかすんで幻想的。

暑い時は冷を感じて気持ち良いイベントですが、今の時期は濡れると身体を冷やすので要注意です😅

淀井敏夫の彫刻

先日あさご芸術の森美術館で観てきた淀井敏夫さんの作品が中庭にあることに今日気付きました。

コレクションギャラリー「超入門!美術刀剣鑑賞のいろは」

無料で鑑賞できるコレクションギャラリーのコーナーでは日本刀の展示。
カラー冊子の目録も配布されています。

僕はどうも、日本刀というと人殺しの道具にしか思えなくて鑑賞ということができないので、スルーしてしまったけれど、好きな人は愉しめると思います。

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