#加藤周一
加藤周一『日本文学史序説』
文学史というよりは精神史・思想史的な本。文芸批評的なものを期待すると少しずれてしまうだろう。もっと大きな観点で、日本文化の歴史を描き出している。加藤周一の代表作という評価も当然の名著。
今回読み返してみて特に面白かったところを何点か書き留めておく。
日本文化に固有の出発点があるとして、しかし残された言葉(文学)は最古のものである万葉集や記紀にはすでに外国(主に中国大陸)の影響が深く影響している
『私にとっての20世紀 付 最後のメッセージ』加藤周一
“戦争の世紀”とも言われる二十世紀を生きた加藤周一へのインタビューをもとに編集した一冊。
対話から生まれたせいもあってか、加藤周一のエッセンスが極めてクリアに抽出されている。
加藤周一と言えば怜悧な論理的文章がまず浮かぶ、“理の人”のイメージだけれども、案外“情の人”でもあるのだなあ、というような印象が残るのも、聞き書きがベースだからということもあるだろうか。
加藤は、戦争に反対するその根拠