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【映画観覧記】

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映画の感想を、お絵描き付きで発表してみる試み。映画は一日に一本は観る。 多い日には3本とかいってしまう。 これは酒の肴のようなもので、夜長の楽しみのひとつ。
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2022年2月の記事一覧

『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018) + 1

『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018) "At Eternity's Gate" 監督: ジュリアン・シュナーベル 出演: ウィレム・デフォー、ルパート・フレンド、マッツ・ミケルセン、オスカー・アイザック 1977年、愛知県美術館「ヴァン・ゴッホ展」 当時10歳にも満たない僕は行く。 厚塗りされ瘡蓋のように膨れたそれは絵というより、削り出した彫刻に近い感じだった。 無数の点と線の集合体、画が構成されるための要素、その情報量の過多に目が眩む。 そして一番覚えているのが、ゴ

『北斎漫画』(1981)

『北斎漫画』(1981) 監督・脚本: 新藤兼人 出演: 緒形拳、西田敏行、田中裕子、樋口可南子、フランキー堺、乙羽信子 ざっとwikiったところ、 葛飾北斎(1760年?- 1849年) 改号すること30回、転居すること93回、2度結婚し、お金には無頓着、生涯で描いた作品三万点以上、作品は『冨嶽三十六景』『北斎漫画』『百物語』『冨嶽百景』枚挙に暇がない。 90歳まで描き続けた驚異の画狂老人を、新藤監督が撮るのだ! 緒形拳ファンの僕はこの映画も何度か観ているが、新藤兼

『墨東奇譚』(1992)

『墨東奇譚(ぼくとうきたん)』(1992) 監督・脚本: 新藤兼人、原作:永井荷風 出演: 津川雅彦、墨田ユキ、杉村春子、乙羽信子 荷風の本は読んだことがないが、新藤兼人監督の映画なら間違いはない。 先生は躍動する生に着目し、一貫してそういった種類のエネルギーを変換して映画を撮る。根っからのIndependent作家、撮りたいものだけを撮り続けているのだ。 いつか先生お奨めの『断腸亭日乗』を読んでみよう。 今年も恵方巻き(節分)の刻を迎えた。 関東圏に住んでいたのでその

『いつかギラギラする日』(1992)

『いつかギラギラする日』(1992) 監督: 深作欣二 / 脚本: 丸山昇一 / 製作: 奥山和由 出演: 萩原健一、千葉真一、石橋蓮司、多岐川裕美、木村一八、荻野目慶子、原田芳雄、樹木希林、八名信夫 うん、この作品もウン十年ぶりに観ました。 まったく覚えていない。 その当時のイメージといえば、ヤンチャな一八と、もう勘弁してくれよという荻野目慶子。 でもこの当時の奥山さん(制作)はイケイケ、たけし映画から「GONIN(1995)」くらいまでは間違いない。 それに監督は

Are you ready to shoot?

『一度も撃ってません(2020)』 監督:阪本順治 / 脚本:丸山昇一 出演:石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、妻夫木聡 石橋蓮司・主演、はとても珍しい。 主人公は売れない作家、裏の稼業は殺し屋なの? 今宵が最後の営業となるBAR"Y"に集い、事件が起こるの?  というハードボイルド・コメディ。 なんの気なしに見ていたが、ヒジョーに懐かしい気分になってきたゾ。 成る程そういった経緯か、あれ、ほら、あの映画が観たくなってきた。 そう、あの映画から30年以

『浪人街 RONINGAI』(1990)

『浪人街 RONINGAI』(1990) 監督:黒木和雄 総監修:マキノ雅広 出演:原田芳雄、石橋蓮司、樋口可南子、勝新太郎、田中邦衛 剣戟映画(けんげきえいが)である。 いわゆる、チャンバラ、ちゃんちゃんバラバラを楽しむ。 難しいところはひとつもない。 だが監督は黒木和雄、ATGで「竜馬暗殺(1074)」「祭りの準備(1975)」「原子力戦争(1978)」など撮っている。 70年代に撮った映画は見てるが80年代は知らない。 「祭りの準備(1975)」はヤバい映画

『パーフェクト・センス』とユアンの映画。

俳優を追ってしまう時もあるが、期せずという時もある。 確かに「トレインスポッティング(1996)」は衝撃的だった。 その後を描く「T2(2017)」があるとは思いもしなかった。 「スター・ウォーズ ep.1(1999)」〜でオビ=ワン・ケノービに抜擢された時は驚く。それからまさかの「シャイニング」続編「ドクター・スリープ(2019)」デニー役、本作のファンであるので当然劇場で鑑賞したのですが、まったくの別モノであった。キューブリックの本編と比べる方が間違い。「プーと大人になっ