私とまぐろ昆布の佃煮①~思い出す

祖父母との距離感

こんにちは。
小さな頃の思い出にいつも近くにいる人。
それは、おばあちゃんだ。
いや、私がここで厳密に言うならば、
おばあちゃんではなく、ばあちゃんだ。
ばあちゃんは、歩いて10分ぐらいの
ところに住んでいて、
週末はよく泊まりに行った。

しかし、今、私の子供の近くには
祖父母がいない。
実家とは離れて暮らしている為、
子供達には祖父母が近くにいないのだ。
二年に1回程度でしか
会えていない。
可哀そうな気がする。
それは、私がばあちゃんに
可愛がられていたからだろう。

とにかく、ばあちゃんの作る料理は
美味しかった。
一品ずつ思い出を語りたいが、
今日は、ばあちゃんの
料理の話ではない。
ばあちゃんが、いつも買ってきてくれた
佃煮の話をしたい。
その佃煮、ばあちゃんが認知症に
なり始めたとき、
4万円分も買ってきたという、
我が家には語り継がれている
エピソードもある。

まぐろ昆布の味

ばあちゃんは、このまぐろ昆布を
明太子屋さんで
しょっちゅう買ってきてくれた。
当時は、この佃煮おいしいね。ぐらいの
普通の感情で食べていた。
よく、大人のおつまみである、銀紙に包まれた
ツナキューブ、ツナピコ?の大きめ版と昆布と
甘辛く炊いたような味で癖になる味なのだ。


ばあちゃんが認知症になり、亡くなるまでの
15年間、亡くなった後の4年間、
そんな佃煮の味を忘れて、40歳になった。
結婚してから、あちこちと移住してきた私だが、
この佃煮には出会えなかった。
そしてなぜだろう。
最近、昔の味に敏感になってきて、
思い出したのだ。
そして、ふと、母に電話で聞いてみたのだ。
『お母さん、あのまぐろの佃煮覚えてる?』 

      つづく


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