“自己愛性人格障害(NPD)”
みなさんは自己愛性人格障害…または自己愛性パーソナリティ障害というものを知っていますか?
なんとなく聞いたことがあるという方が多いかもしればせんが、あなたの周りに“ほぼ確実”に存在するので特徴をイメージしながら頭の中で人物を思い描いてみて下さい。
■自己愛性人格障害とは…
・優越感(誇大性)
・賞賛への欲求
・共感性のなさの広汎なパターン
を特徴とします。
自己愛性人格障害の患者は
●自分の能力を過大評価し
●自分の業績を誇張し
▲他者の能力を過小評価する傾向があります。
この特徴を見るとみなさんそれぞれに頭に思い浮かぶ人がいるのではないでしょうか?
そうです。あなたの身近にもいる“嫌な奴”はこの障害である可能性が非常に高いのです
自己愛性人格障害の診断は、自分の重要性と才能についての
・誇大な
・根拠のない感覚
・無条件に賞賛されたいという欲求
・特権意識
などの特定の症状に基づいて判断されます。
基礎にある葛藤に焦点を当てた精神療法が役立つことがあります。
パーソナリティ障害(人格障害とも呼ばれます)とは、本人に重大な苦痛をもたらすか、日常生活に支障をきたしている思考、知覚、反応、対人関係のパターンが長期的かつ全般的にみられる人に対して用いられる用語です。
自己愛性人格障害の患者は、自分の価値を過大評価(誇大性と呼ばれる)しています。
また患者は自尊心に問題を抱えているため優越感や自尊心を高めるために、患者は以下のことをします。
①特別な人物と関わる
②優れた機関との関わりをもつ
③他者を低く評価する
④患者は賞賛されることを強く望む
自己愛性パーソナリティ障害は一般の人の最大6%にみられ、男性により多くみられます。
また次のうち1つ以上の病気がみられることが多くあります。
・うつ病
・神経性やせ症
・物質使用障害(特にコカイン)
・別のパーソナリティ障害(演技性、境界性、または妄想性)
などが挙げられます。
■原因
自己愛性人格障害には遺伝子と環境要因が発症に大きく関わっている可能性があるとされています。
ある理論は、養育者が、子どもが安定した自己感覚を発達させるのに役立たない形で子どもとふれあった可能性を示唆しています。
例えば、過度に批判的であったり、過度に子どもを賞賛、称揚、または甘やかしたりしていた可能性があります。
■症状
①誇大性
自己愛性パーソナリティ障害の患者は自分の能力を過大評価し、自分の業績を誇張します(誇大性と呼ばれます)。
自分が他者より優れている、独特である、または特別であると考えています。
患者が自分の価値や業績について過大評価する際、しばしば他者の価値や業績の過小評価も行います。
②特別であるという空想
患者は大きな業績という空想(圧倒的な知能または美しさについて賞賛されること、名声や影響力をもつこと、または素晴らしい恋愛を経験すること)にとらわれています。
自分が普通の人とではなく、自分と同様に特別で才能のある人とのみ関わるべきであると考えています。患者はこのような並はずれた人々との付き合いを、自尊心を支え、高めるために利用します。
③賞賛を受ける必要性
自己愛性人格障害の患者は過度の賞賛を受ける必要があるため、患者の自尊心は他者からよく思われることに依存しています。
このため、患者の自尊心は通常は非常に壊れやすいものです。
患者はしばしば他者が自分のことをどのように考えているかを注視しており、自分がどれだけうまくやっているかを吟味しています。
自己愛性パーソナリティ障害の患者は、他者による批判、また恥辱感や敗北感を味わう失敗に敏感であり、これらを非常に気にしています。
そして怒りや軽蔑をもって反応したり、荒々しく反撃したりすることがあります。
または、自尊心を守るために、引きこもったり、表向きはその状況を受け入れたりすることもあります。患者は失敗する可能性のある状況を避けることがあります。
■自己愛性人格障害診断
ではあなたやあなたの周りの人が“自己愛性人格障害”なのかを診断してみましょう。
また、症状は成人期早期までに始まっている必要があります。
■治療法
●精神療法(心理療法)
自己愛性人格障害の一般的治療は、すべてのパーソナリティ障害に対するものと同じです。
そのため精神力動的精神療法が有効となる場合があります。このタイプの精神療法では根底にある葛藤に焦点を当てます。
境界性パーソナリティ障害用に開発されたアプローチの一部が、自己愛性パーソナリティ障害の患者の治療用に改変して使用できる場合があります。
■さいごに
いかがでしょうか?あなたの周りの“嫌な奴”はこの障害のような気がしませんか?
今なんの実績もないのに高学歴自慢をし続け、他人の批判ばかりしている人なんかはまさにこの障害ですね。
この障害の人と関わると非常に消耗してしまいます。心が繊細な方にとってはまさに“猛毒”とも言えます。
出来る限り関わりを避け、可能であれば今後一切の関係を断つことをおすすめします。
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