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諦めかけた中学受験

年度:2022
性別:男子
執筆者:母

 現在中学2年の息子は、6歳上の兄が中学受験をし、楽しそうに学校に通っているのを見ていたので、自分も中学受験をしたい、と4年生から早稲田アカデミーへ通い始めました。私は長男の時と同じように4教科での受験方法しか考えておらず、週3日の塾通いが始まりました。

 最初は塾の宿題もテストも順調にこなしていましたが、夏休みが明けたくらいに、あるワークショップに参加した事をきっかけにドローンに興味を持ち、ドローンレースがある事を知って競技を始めるようになりました。それからは練習に夢中になり、徐々に勉強に身が入らなくなって成績はなかなか上がらず…。

 ドローンは野外の広い場所で飛ばすので都内では練習場が無く、週末には早朝から夜まで地方の練習場に通う事が多くなり、勉強時間が削られていきました。

 5年生になると塾の日数が増え、更に毎週土曜日に模擬試験が始まる事が分かり、私は息子に受験勉強を優先してほしいと思い、塾の先生を交え勉強時間をどう確保するのか何回も話し合いました。しかし息子はどうしてもドローンをやりたい!と言う気持ちが強く、土日は地方でドローンレースや練習会があり勉強との両立はできなくなるので、受験をやめる決断をし退塾する事になりました。

 5年生の1年間は、毎週末全国を駆け回りレースと練習に明け暮れる日々を送っていましたが、このまま公立中学に行っても、いずれは高校受験の勉強との両立ができなくなると思い、5年生の終わり頃に、息子がやりたい事を諦めないで中学受験ができないか調べ始めました。

 ある塾で、自分の得意を活かせる「新タイプ入試」と言う方法で受験ができる学校がある事を教えて頂き、息子と話し合ってまた中学受験に挑戦することになりました。そして6年生から息子のペースで勉強できる個別指導塾に入り直し、国語、算数の2科目と自己アピール型で必要な作文対策に絞り勉強を始めました。

 しかし相変わらず週末は地方に行くことが多く、他のお子さんより勉強時間が少ない息子の成績はあまり上がりませんでした。私は学校を選ぶ際にどうしても偏差値を優先してしまい、2科目の成績を上げる事ばかり考え焦り、息子に不安をぶつけて喧嘩する事もしばしば…。このままで良いのか、と悩む事が増えました。

 そんな不安を抱えていた私に、教育ジャーナリストの中曽根陽子先生から色々アドバイスを頂く機会があり、先生との対話を重ねていくうちに受験目的を考え直していくようになりました。塾の先生には息子ができる範囲で宿題を出してもらい、平日の夕方からは塾、土日は練習やレースと言う生活サイクルになりました。

 そして学校選びでは、息子と一緒に学校見学に行った際、個別相談で息子が今夢中になって取り組んでいる事、これからやりたい事を必ずお話しし相談しました。学校によって反応も様々で、お話を熱心に聞いて関心を持ってくださる先生のいらっしゃる学校数校に絞っていき、徐々に私は偏差値の価値観から離れ息子をサポートできるようになっていました。

 色々な学校の説明会や体験授業に行った中で、ドルトン東京学園は、子供一人ひとりの個性、興味関心を大切にして「学習者中心の教育」を教育理念としていました。息子はそんな学校の雰囲気や先生方とお話する中で「自分が夢中になっている事を認めてくれるドルトンに入りたい!」と言う気持ちが強くなり、2科目と思考力・表現型の2回で挑戦する事に決めました。初日の2科目では不合格でしたが、2日目の表現型で頑張った結果、第一希望のドルトンから合格を頂くことができました。

 息子の場合、本人の意志を尊重し、やりたい事を諦めず続けながら塾と両立していたからこそ目標に向かって頑張れたと思います。

 入学してからはドローン技術を活かし、学校の校舎を空撮させて頂いたり、学校の広報動画や先輩の研究発表の動画撮影に協力したりしています。

 勉強面では、中間・期末テストが無く、定期的な小テストや出された課題のレポート提出で評価されます。

 1年生の前期は提出物が溜まってしまい期限までに出せず評価が悪く、どのようにしたら計画的に期限を守れるか試行錯誤していましたが、先生や先輩のアドバイスを参考に徐々に自己管理できるようになってきています。

 学年が上がるにつれ色々また違った壁にぶつかったり失敗する事もあると思いますが、それが自分を鍛えるチャンス!と思い、これからの学校生活を仲間と共に楽しんでほしいと願っています。

この体験記が少しでも皆様の参考になれば嬉しいです。
ご拝読ありがとうございました。

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