![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/163986060/rectangle_large_type_2_c78d7e9de0019b31a0f760221cb496b3.png?width=1200)
【広島叡智学園 二次対策】「NVC理論」を活用して、大切にしたいことに気づく
こんにちは!公立中高一貫校対策のiBASEです。
iBASEでは毎年、広島叡智学園の2次選抜対策講座を開講中!今年(2024年)も年末にやってくる合宿型のグループワーク選抜に向けて、講座の準備を進めています。
※2024/12/07:残り5席ほど。講座前日の20:00まで申し込みを受け付け中です。各回完結型の講座のため、単発でのお申し込みが可能です。
1.はじめに
全国的にも珍しい、合宿型&グループワーク中心の第2次選抜。全寮制という特殊な環境で6年間を過ごす広島叡智学園ならではの選抜形式と言えます。(最新年度の具体的な出題は、以下の記事からご確認ください!)
iBASEの対策講座では生徒のみなさんに「ありのままで(自分らしく)いること」の重要性を毎年お伝えしてきました。「合格させてもらうために、グループのリーダーになった方がいい」「高い点数を付けてもらうために、自分の意見を通せる強さが必要」など、受験生の中にはそうした偏った考え方を持ち対策に取り組まれる方(塾)もいるかもしれません。もちろん、そうした対策の方針も”アリ”だとは思う一方で、その弊害や危険性について過去の記事で解説してきました。
では「ありのまま(自分らしく)いる」とは、どういうことなのでしょうか?もう少し踏み込んで言語化すれば、「自分が大切にしたいことを、大切にする(大切にして過ごす)」ということ。それって一体どういうことなのか?そのために、どんな準備や対策が必要なのか?
今日は理論的な背景にも触れながら、詳しい解説を試みたいと思います!
2.理論的背景:NVC理論とは?
広島叡智学園の2次対策講座を開講するにあたって、iBASEが理論的背景として敷いている理論のひとつに「NVC(Nonviolent Communication:非暴力コミュニケーション)」があります。NVCは、相手と自分の双方がより深く理解し合い、つながりを築くことを目的としたコミュニケーションの方法です。心理学者マーシャル・ローゼンバーグ博士によって提唱されました。
詳しい解説はこちらのページ(外部リンク)に譲るとして、この記事では最も大切な考え方を紹介します。(本講座でも、もう少しやさしく翻訳して扱います!)カギとなるのは「感情」と「ニーズ」という2つの考え方です。
「感情」は「ニーズのセンサー」
感情は、身体や心が自分のニーズに気づくためのセンサーのようなものです。たとえば、嬉しい気持ちや満足感を感じるとき、それは何か自分の大切なニーズが満たされているサインです。一方、怒りや悲しみ、不安といった感情を抱くとき、それは逆に、自分のニーズが満たされていない状態を示しています。
①友達が誕生日にメッセージをくれたとき…
【感情】うれしい
【ニーズ】大切にされたい・深いつながりが欲しい
②自分の意見を無視されたとき…
【感情】悲しい・傷ついた
【ニーズ】理解されたい・尊重されたい
ニーズに気づくと感情が整理される
感情は時に混乱を引き起こすこともありますが、その感情の背後にあるニーズに気づくと、状況が整理され、自分の行動や考え方がクリアになります。たとえば、「なんで私はこんなに腹が立っているんだろう?」と感じたとき、「信頼を大切にしているから、それが裏切られたと感じたんだ」と気づければ、次にどう行動すればよいかが見えてくるのです。
3.広島叡智学園の対策に活用する
このように「感情の奥にニーズがある」と考えるNVC理論を活用して、iBASEのグループワーク対策講座では、振り返りの時間に次のような問いかけを行います。
①グループワークに取り組んでみて、今日なんか「モヤモヤ」したことはある?それはどんな瞬間だった?
「モヤモヤ」というのは、NVC理論で言うところの「感情」にあたる部分です。iBASEの対策講座では、多くの時間を受講生同士のグループワークに割きますが、その振り返りとしてこの問いを投げかけます。すると、受講生それぞれが、それぞれのタイミングで、実は「モヤモヤ」を抱えていたことが明らかになります。以下の例は、昨年度の受講生が出してくれた「モヤモヤ」です。
【Aさん】私が出した意見に対して、誰も何のリアクションしてくれなかった時に「モヤモヤ」した。
【Bさん】いろいろな意見がみんなから出たのに、最終的に時間がなくて、多数決で決めなきゃいけなくなって「モヤモヤ」した。
②その「モヤモヤ」の奥に「大切にしたいこと」があるとしたら、どんなことだろう?
その後、NVC理論でいう「ニーズ」について見ていきます。先ほどの解説の通り、人の「感情」の奥には必ず「ニーズ」があります。グループワークに取り組む中で「モヤモヤ」したということは、必ずその奥に、生徒一人一人の「ニーズ」が隠れているのです。そこで、その「ニーズ」について問いかけてみると、こんな風に言葉を紡いでくれました。
【Aさん】私が出した意見に対して、誰も何のリアクションしてくれなかった時に「モヤモヤ」した。
⇒(ニーズ=大切にしたいこと)自分の意見を大切に扱われたい。ほかの人の意見も大切にしたい。
【Bさん】いろいろな意見がみんなから出たのに、最終的に時間がなくて、多数決で決めなきゃいけなくなって「モヤモヤ」した。
⇒(ニーズ=大切にしたいこと)みんながそれぞれの意見に納得してから進みたい。誰かの意見を切り捨てるのは嫌だ。
こんな風に、グループワークを素材として2つの問いに向き合うことで、生徒たちは協働の場面において「自分が大切にしたいこと」に気づいていくことが出来るのです。
4.自分が大切にしたいことを、大切にする
さて、広島叡智学園の2次選抜においては「自分らしくいること」が大事だ、と書きました。そしてそれはつまり「自分が大切にしたいことを、大切にしながら過ごすこと」であるとお伝えしました。
iBASEで開講する対策講座にご参加いただくことの一番の収穫は、生徒一人ひとりが「大切にしたいこと」を言語化でき、それに自覚的になることを通して、選抜当日に「ありのままの自分でいられる」ということだと考えています。
たとえば先ほどのAさんは「自分の声も他人の声も大切に扱われること」を大切にしたいと伝えてくれました。だからこそ本番の選抜では、一人一人の意見に対して積極的なリアクション(相槌・うなづき)を返したり、どんな意見でも自分の感想や受け止めを言葉にすることを意識するようにしたそうです。
またBさんは「みんながそれぞれの意見に納得してから進みたい。誰かの意見を切り捨てるのは嫌だ」とのことでした。なのでグループで意見が割れた時はすぐに結論を急ぐのではなく、「ほかの人はなぜ自分と意見が違うのか?」とことん問いかけ深く聴いてみることを意識したと、受験後に教えてくれました。
広島叡智学園の2次選抜対策に、決まりきったHow Toや定型のパターンは存在しません。大事なのは一人ひとりが奥底に持っている「ニーズ」に自覚的になり、その信念に基づいて行動し、対話し、グループで課題に取り組んでいくことなのです。
5.おわりに
今年(2024年)も、全3回(12/8,15,22)の対策講座を開講します。3回の講座では毎回異なるパターンの課題に取り組んでいただきながら、毎回生徒それぞれの「大切にしたいこと」にアプローチする振り返りの時間を設けていく予定です。
表層的・How To的な対策ではない、最も本質的で奥深い学びを、今年も20名限定でお届けします。
※具体的な講座情報は、以下のリンクよりご覧ください!
※2024/12/07:残り5席ほど。講座前日の20:00まで申し込みを受け付け中です。各回完結型の講座のため、単発でのお申し込みが可能です。
※昨年度の講座の様子も、ご参考までに!