広島叡智学園のグループワーク、どう対策する?【第二次選抜】
2023年度は11/19に第一次選抜を迎える、広島叡智学園中学校。全国的に見ても早い時期に本番を迎えますが、その後、第二次選抜が実施されます。朝から夕方まで実施される「グループワーク」はとても特徴的な内容です。
※過去の出題内容や、広島叡智学園がグループワークを課す意義については、以下の記事でもまとめています。併せてお読みください。
3日間というかなり長い検査時間ですが…何が実施されるかというと、大きく分けて3つ。「グループワーク」「振り返りの作文(800字程度)」「面接」という構成となっています。どれも大事であることは間違いありませんが、今回の記事では「グループワーク」の内容と、そこで問われる力や意識して臨みたいことについて、考察・解説していきたいと思います!
グループワークの種類は、大きく3つ
iBASEでは、「グループワーク」を大きく3つの種類に分けて対策を行います。それぞれについて、詳しく見ていきましょう!
【ワーク1】討論をする
いわゆるディベートのような形式で「賛成⇔反対」など2つの立場に分かれ、意見を出し合うワークです。たとえば「友だちと一緒に勉強することはいいか?よくないか?」「小学生はスマホを持つ方がいいか?よくないか?」など、身近な出来事に紐づいた出題が見られています。
このワークで特に意識したいのは、次の3つです。
①論理的に意見を練り上げる
作文対策でも同様ですが、自分の考えを論理的に伝えることが求められています。その際、自分の意見と相手の意見、それぞれにある「メリット」と「デメリット」をきちんと整理してみることが、論理的な議論の中で大切なポイントとなるでしょう。
子どもたちに「論理的に考えよう」と伝えても、なかなか難しいものです。「それぞれのメリットとデメリットを整理しよう」等、ある程度のフレームに沿って、自分の意見を構築する練習を積んでおくことは、非常に有効な手立てだと言えます。
②具体的な話で説得する
論理的に練り上げられた意見をそのまま相手に伝えても、なかなか納得させることは出来ません。大事なのは、自分の体験や見聞きしたことなど、具体的な事例を交えて意見をかみ砕き、相手の共感や納得を得ることです。
討論の際、なかなか意見がまとまらない時には、自分の体験を話したり、逆に相手の体験を聞き出す・引き出すことによって、議論が進んでいく場合があります。そうした「具体例を持ち出す」こともまた、一つのスキルとして身につけておくとよいでしょう。
③相手の意見を柔軟に受け入れる
この討論パートで最も大切なのが、この3つ目についてです。(おそらくですが)「自分の意見を通すこと」そのものを、学校側から評価されることはありません。答えのない問いに直面したときに、自分の意見を主張するだけではなく、相手の意見も柔軟に取り入れながら、お互いの「納得解」を導くプロセスを、評価のポイントとして用意しているはずです。
繰り返しになりますが、このグループワークは「自分の意見を通した方が勝ち」のゲームではありません。相手の意見を取り入れつつ、お互いの納得を導くための柔軟さやオープンなマインドを持っておくことが大切です。
【ワーク2】新しいものを創り出す
2つの立場に分かれる「1.討論」とは違い、チームで新しい何かを創り出すワークです。たとえば「新しいスポーツを考えよう」など、柔軟な発想やアイディアをチームで生み出す力が問われています。
①柔軟なアイディアを出す場を作る
クリエイティブな思考が求められるワークです。自分自身がよいアイディアを出すことももちろん大切ですが、それ以上にチームとして、「ぶっ飛んだアイディア」「変な意見」を躊躇なく出し合える、「安心で安全な場」をどう作れるかが大切な観点だと思います。
そのために、チームメイトのどんな意見に対しても、「それいいね!」「おもしろい!」と率先して場を盛り上げていきましょう。メンバーそれぞれが、その場で「意見を否定しない」ことを強く意識できると、チームの創造性が上がりいいアイディアが生まれていくことでしょう。
②チームのアイディアを組み合わせる
メンバーそれぞれから出たアイディアを1つに絞ってブラッシュアップすることも有効ですが、それぞれのアイディアを「組み合わせる」ことによって、さらなる高みにたどり着けることがあることを、受検生は知識として知っておけるといいでしょう。
一通りアイディア出しが終わった際に、「このアイディアとこのアイディアを混ぜるとどうなるだろう?」と投げかけてみると、さらに面白いアイディアが生まれるかもしれません。こうした、新しい何かを生み出す手法を、いくつか授業ではお伝えしておきます。
【ワーク3】課題を解決する
「課題解決」のワークでは、与えられた課題をよりよく達成するための協同作業が求められます。工作を伴ったワークが出題されることもあり、「ストローを使って1m以上のタワーを作る」など、限られた時間の中での戦略づくりと試行錯誤が問われています。
①課題を正しく捉える
出された複雑な課題を正しく理解し、達成すべきことを明確にすることが大切です。課題によっては、細かいルールが設定されていることも多いため、そうした細部についてもチーム全体で共有を取ることを忘れないようにしましょう。
②プロセスを作り込む
出された課題を解決するためには、限られた時間の中で、どんなプロセスでどれぐらいの時間をかけるかについて、事前に合意を取る必要があります。
アイディアそのものを話し合う前に、「●●分でまずはこの点について考えよう」「その後にまずは○○してみて、次に■■に取り組もう」など、全体像を明確に出来るリーダーが一人いると、チームの生産性と最終成果物のクオリティは格段に上がります。なかなか難しい工程ですが、積極的にここの役割を担いに行けるといいでしょう。
③他者を理解しチームを導く
出される課題においては、終盤にかけてチームで役割を分担して臨むことが必要な場面も出てくるでしょう。その際に、自分は何を担い、チームメイトは何を担うのかについて考える場面が出てくるはずです。
その際に、やるべきことをきちんと洗い出し、分担することを面倒だと思わず、きちんと決めきることを意識しましょう。それぞれが意思を持って動ける場合もありますが、なかなか決まらないときには、思い切って指示を出すことも必要かもしれません。
グループワークで力を発揮するために
今回は広島叡智学園のグループワークを3つに分けて解説しました。とはいえ、この内容をお子さんに伝えただけでは、当日意識的に動くことは難しいかもしれません。ぜひご家庭において、保護者の方と一緒に練習を試みて貰えたらと思います。またお知り合いで広島叡智を受検される方がおられる場合は、一緒に練習に取り組んでみるのもいいでしょう。
次回の記事では、第二次選抜のグループワーク直後に課される、「振り返り」の作文について解説しています。700字~800字の分量で出題されることが予想されるこの「振り返り作文」も、考え方や取り組み方を知っておくことで、レベルが格段にアップします。ぜひ併せてご覧ください!
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