その瞬間は一生懸命 それでも必ず将来につながっていくはず ~医療法人博仁会 まちづくり推進室長 西村 和也 氏~ VOL.1
今、常陸大宮駅を中心としたエリアが大きく変わろうとしています。
その1つが駅舎のリニューアル。
「カコイバ:屋根に囲われた駅舎空間」をデザインコンセプトに、江戸時代後期から続く西塩子地区の組立式歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台」をモチーフとした、入口から線路に向かって屋根の傾斜が上がり、回り舞台を思わせるデザインへ生まれ変わります。
また、駅西口には防災機能を兼ね備えた交流拠点も新設予定で、性別や年齢、能力に関わらず、誰もが一緒に遊べる「インクルーシブ・パーク」や「カフェスペース」などを設けることで、子どもからお年寄りまでが安心して楽しめる市民の交流の場としての期待が高まっています。
そんな常陸大宮駅から、徒歩2分のところに
地元の方の憩いの場となっているカフェ
「COMMUNITY CAFÉ BAHNHOF(コミュニティカフェ・バンホフ)」があります。
今回はバンホフの店長で、医療法人 博仁会 まちづくり推進室長でもある西村 和也氏に、"カフェオープンのきっかけ" や "まちづくりに懸ける想い” を伺いました。
VOL.1 オシャレなカフェ「バンホフ」
1918年(大正7年)に開業したJR水郡線の常陸大宮駅。
木造の小さな駅舎を出ると、あちこちで道路整備の工事が行われていた。
常陸大宮市は、今後この駅と駅前を中心としたエリアが大きく変わる。
行政関係機能のほか、医療・福祉機能,情報・サービス機能などが集積された地域として中心市街地の活性化を図るだけでなく、若者や子育て世代が住みたいと思うような魅力ある街並みや、子どもを安心して育てることができる環境整備を行っていくそうだ。
これから、駅前が新しく変わっていくというワクワク感と、この趣のある木造駅舎がもう見られなくなるという若干の寂しさを感じつつ、駅前から北に200mほど歩くと右手に「コミュニティカフェ・バンホフ」が現れる。
店内は、ランチ時ということもあり、ご近所さんとおぼしき方で賑わっていた。
メニューを見ると、日替わりランチにカレーにパスタ、ハンバーグにローストビーフ丼と種類も豊富だ。また、コーヒーやジュース以外にもシェイクやグリーンスムージーまであった。
お総菜ケースには彩り豊かなサラダやプリン、棚には焼き菓子や地元の野菜に、本やアート作品まで並んでいる。
まさに、現代風の “オシャレなカフェ”だ。
でも、この ”オシャレなカフェ” の運営母体が『医療法人』だと聞くと驚く人も多いだろう。
今回、オープンな取材は初めてというバンホフ店長の西村さんに、バンホフの魅力を聞いた。
「うちは『一汁三菜で、栄養バランスのとれたメニュー』がコンセプト。
管理栄養士と栄養士と調理師が在籍して、食事のバランスを考えた料理を提供しています。
定番ランチや、週替わりのパスタランチのほかに、テイクアウト限定の『カフェめし』もあります。特にカレーはスパイシーで、イートイン含めて昔から人気があるメニューなんです。」
写真を見ると本当に色とりどりで美味しそう。どれにするか迷ってしまいそうだ。
「ランチプレートにも野菜が多いでしょう?野菜をたくさん食べていただきたいので、メニューには野菜を多く取り入れています。
地元の無農薬野菜農家さんの野菜も使っているんですよ。」
さすが、医療法人が運営母体というだけあって、健康を気づかったものになっている。しかも “テイクアウト” だけでなく “出前” もあるらしい。
「配達は、1個からでも配達します。小さなお子さんの急な発熱で、買い物に行けなくなったから利用したという話も聞きました。
経営として非効率な部分もありますが、私たちのマインドでもある医療・介護・福祉はセーフティーネットなので、効率的な部分を押さえながらも地域のニーズは捨てないようにしています。」
なんという配慮だろう!!小さなお子さんを持つご家庭が、泣いて喜びそうなサービスである。
では、そもそも医療法人がカフェをオープンしたのはなぜか・・・そこには、西村さん達のこんな想いがあった。