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ウチの子自慢

かつての卒業生からメッセージが届くのは、この仕事をしていてもっとも嬉しいと感じる出来事だ。
今日は思い切りウチの子自慢をさせてください。

本人から承諾を得ているのであえて名前を出します。りょうちゃんは現在東京学芸大学附属高校の3年生。
彼女はもともとうちの幼稚園の卒園児で、私は彼女が3歳の頃からずっと知っている。(その頃は自分もバスを運転して家まで迎えにいっていたものだ)
うちの小学部が初めて出来た7年前、すでに美濃市の公立小学校に通っていたりょうちゃんは、妹がサニーサイドの見学に来たことがきっかけで、うちに入ることになった。
他は低学年の子達ばかりの中で一人だけ5年生。下級生はりょうちゃんをとても慕っていつも人気者だった。
お母さん曰く、公立のクラスメートと別れてもサニーサイドに入りたいと言ったのは本人の強い意志だったそうだ。

5年生から2年間、てんやわんやの小学校生活を経て、彼女はうちの小学部の初めての卒業生になった。たった一人の卒業式。下級生も私たちも泣き腫らした記憶はまだついこの間のものだ。

りょうちゃんは、中学でもIB教育がいいのだと言って、東京学芸大学附属国際中等教育学校への進学を希望していた。我々もいわゆる「中学受験」しかも相当に倍率の高いところへの挑戦ということであれこれ情報収集をしていたが、国立の名門中学への入学を希望する生徒達はすべからく何年もかけて準備をしてきたつわものばかり。
彼女の夢はあっさりと打ち砕かれ、岐阜市の私立中学へ進学した。

しかし、IBへの思いが忘れられなかった彼女の気持ちを聞きながら、私はニュージーランドのウェリントンにあるクィーンマーガレットカレッジに留学してみてはどうかと勧めた。
QMCは、130年以上の歴史のある私立の名門女子校だ。(興味のある方はぜひ。サニーサイドとQMCは姉妹校のようなものですので)
https://www.qmc.school.nz/
IB教育の一貫校でもある。私は学長に話をして、彼女を連れて行った。初めての寮生活が始まった。

彼女の母親もまた肝の座った人だった。シングルマザーで娘を海外の私立に行かせることは簡単な決断ではない。お金がかかっても園長先生が勧めてくれるのならその道を行きたいと、覚悟を決めて、自分はアパレルで起業をして娘の学費を工面していた。

ほぼ14歳で寮生活を始め、異国の地で彼女はホームシックになることもないほど、学校生活を楽しんだようだった。高校生になるとき、QMCに残りたい気持ちが圧倒的にあったが、家庭の経済事情を考え、彼女は日本の高校を受験することにした。

3年前に落ちた同じ学校を今度は高校からの編入試験で受けて、見事に合格した。3年前に落とされた学校をもう一度受けて、通るというのは実に痛快だ。

高校生の間はたまにメールをもらうくらいだったが、今朝、久しぶりに本人からメッセージが届いた。「一番行きたかった慶應大学に合格できました!」

以下は彼女のメッセージから。

サニーやQMCで過ごした時間や培ってきたものがあったからこそだと思っています。

園長先生のNoteを度々読ませてもらっていたのですが、「正解が一つでない時代を生きる」という題のブログにとても共感しました。

主に進路の面において、選択の良し悪しは選択後の努力によって決まるなと感じることが多くあり、今回の受験でも結果がどうであれそれが最善の選択だったと後から思えるように頑張ろうという気持ちで取り組んでいました。

また、園長先生の教育や生徒に対する思いは本当に尊敬できてかっこいいです。園長先生のNoteを読んで自分も受験を頑張ろうと思えていたことを伝えたかったです!

こんなうちの卒業生を自慢したいと思わない教師がいないわけがない。
「選択の良し悪しは、その後の努力によって決まる」実に立派だ。

彼女をみていると、知識を詰め込む教育ではなく、いかに「自主性」を育むことが大切かが良くわかる。どこの大学に入ったとかではない。

自分のやりたいこと、挑戦したいことが明確にあるから頑張れるし、また道は平坦ではないということをわかっているから壁を乗り越えていける。

QMCのモットーは
Passionate learners, Resilient women, leaders of tomorrow
情熱的な学習者、忍耐強い女性、明日のリーダー

QMCの先生達にも早速この朗報を伝えなくては。

本人が言うところの「学ぶ意欲」をサニーサイドで培ったと言ってくれるのならこんな嬉しいことはない。

そしてりょうちゃんの時代はいよいよこれからだ。入りたかった大学でさらに多くを学び、色々な経験を重ねて、この世の中をより良いものにしていくために活躍してほしい。

そして園長先生を励ましてくれて本当にありがとう。

※毎週月曜日に新しい記事を投稿する予定です。良ければフォローして最新記事や過去記事をご覧ください

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