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人生はマラソン

私がこのNoteをなぜ書くのかと言えば、それは単に学校教育、家庭教育に関わる私の考えを述べるというよりも、私が作りたいと思っている学校、このサニーサイドインターナショナルスクールについて、それが

どれほど素晴らしいコミュニティーであるか

どれほど希望に満ち溢れた子ども達が暮らしているか

どれほど献身的な教員が働いているか

どれほど心優しい多くの人たちが支えてくれているのか

そして、この場所が私の人生においてどれほど大切なものであるか
を、恐らくまだ出会ったこともない、多くの人たちに知ってもらい、自分ごととして子ども達の未来を一緒に考えてもらいたいという思いがあるから。

私からしたら、お金もない片田舎の幼稚園の園長が「学校をつくりたい」などと、もともと身の丈に合わない挑戦を始めてしまったわけで、それでもまだ今こうしてやっていられるのは、本当に多くの心ある方々の助けがあったからに他ならない。

いつか本で読んだことがある。
「人生はマラソンのようなもの、成功へのカギは、何よりもメンタルスタミナである」

心が折れてしまったら終わり。

努力の積み重ねが尊いことは当然だが、私のようにもともと怠惰な人間は、たとえ日々の努力が続けられなくても、レースをリタイアすることさえなければ、ゴールを切れるかも知れない。

スタンフォード大学のキャロルドゥエック教授が示した、Growth mindset(グロースマインドセット)というのは、
「努力し続ければ、どこまでも自分を伸ばすことが出来る」
そういうマインドセットをもって取り組んだ生徒達が実際に、そうではない生徒達よりも成績を伸ばしたという検証結果に基づいたセオリーだ。

しかし、これもまた努力が苦手な人にはハードルが高い気がするが、
Growthmindsetは、「どうせやってもダメだ、しょせん自分には出来ないのだ」という考えをもつ Fixed mindset(フィクストマインドセット)の対語であるから、私にとってのGrowth mindsetの解釈は、

どんな時もそれが行き止まりだと思わずに、壁にぶち当たっても「何か突破口があるはずだ、絶対に他の方法があるはずだ」と考えるようにすることにしている。

とにかく負けを認めたら終わり。ここまで来たら、「しつこさ」しか自分に取り柄はない。そのしつこさに、周りはさんざん辟易しているのであろうが。

冒頭に話を戻そう。
サニーサイドを取り巻く人たちの話だ。

先日、4年生の女の子が、私に話があるという。ちょうどタイミングが合わず、本人と話が出来なかったので、担任に「何の話かな」と尋ねると、「彼女がずっとひきずってることがあって・・・もう夏休み前からずっとそれが心の中で引っ掛かっていて、頭ではわかっているんですけど、多分、渡辺先生に聞いほしいんだと思います」

「ん?一体何の話?・・・」

それは何のことかというと、うちは教室前の廊下など色々なところにウッドデッキがあって、夏休み中にうっかり落としたお気に入りの定規が運悪くその隙間に落ちてしまい、それが悲しくて、ずっとあきらめきれずにいるらしい。

先生達も、あの手この手で定規の救出を図ったものの、あまりにせまい隙間で取り出しようがなく、本人もこれはもうしょうがないと思いつつも、最後の助けを私に求めようとしていたらしい。

しばらく考えて、私は長年の友人の青木さんに電話をした。事情を話すと、青木さんは間髪をいれず、「わかりました!明日の10時に行きます!」と。
青木さんは、アオキ建設工業という会社の、毎日とても忙しい社長さんだ。

かくして、青木さんはひとりで翌日学校へやってきて、汗だくになりながらウッドデッキを外し、見事に定規を救出してくれた。
その女の子はメールをくれて、「先生ありがとうございました。私の定規もなんですが、他にも間違ってボールとか勉強道具を落としてしまった子達もいて、みんなとても喜ぶと思います。」

自分のことのみならず、他の友達の気持ちも考えていた彼女のやさしさに思わずほっこりした。

簡単に見えて相当に大変な作業だったらしく

またこれも先週、事務所のスタッフが「園長先生に2年生の男の子が手紙を持ってきたので机の上においておきました」と連絡をくれた。
中を開けてみると、子どもが書く文字でひとこと。
「園長先生、この学校を作ってくれてありがとう」
一緒に作った折り紙が一緒に入っていた。

彼はいつも私を見つけると遠くからでも手を振ってくれる子だ。こちらが背伸びをして学校をやろうとしていることを知っているのだろうか・・・思わず胸が熱くなった。

サニーサイドは確かに今はまだ無認可の学校、社会が学校と認めていない学校だ。

でもこの学校には、こんなに純粋な子ども達がいて、たかだか隙間に落ちた定規ひとつのことであっても、その気持ちに寄り添おうとする大人が取り巻いている、そんな幸せな場所。

私はこの先も、何があってもこの学校を守っていかないといけないと思っているし、この学校コミュニティーの人たちのことを多くの人に知ってもらいたいといつも願っています。

だから自分の生活はいつも考えごとで頭の中がいっぱい。寝ても覚めても、車の中も電車の中も、飛行機の中も・・・

PS 青木さん、いつも本当にありがとうございます!(アオキ建設工業はいわゆる予約の入らない飲食店のような、ファンの実に多い会社ですが、建築関係で業者をお探しの方には、私は120%オススメしたいです!!!)

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