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小学校留学のススメ

意味不明な台風に日本中が振り回された妙な一週間だ。
新幹線が3日間も止まるなんて・・・聞いたことがない。

そんな中ではあるが、今日は楽しい話をしよう。

先週、ニュージーランド、タウランガ市から小学校の校長先生が3名、来訪した。3人とも私にとっては、仕事上の知り合いというより友人のような付き合いだ。

ご存知の通り、私はニュージーランドにも幼稚園を作ったりしていて、またIBの関係も含め、学校経営者の友人がたくさんいる。ニュージーランドだけでも友人と呼べるレベルの校長だけで8人ほどいる。

日本とほぼ同じ面積でありながら、総人口が6百万人しかいないニュージーランドだが、実は教育先進国であることを知っている人はあまりいない。
特に「未来に備える教育」という観点では、世界No. 1と言われることもある。

教育先進国で有名な、フィンランドとはまた違う観点で素晴らしいと私は考えており、しかも、フィンランドのシステムを真似ることは難しくても、ニュージーのモデルはIBにも似ており、日本の公教育は特に真似るべき要素がたくさんあるといつも思っている。

ニュージーランドの教育の話は、うちの地下先生がフィンランドの教育を語るように、私もたくさん話せることがある。
今回はあまり触れられないので、またの機会にお話しすることとしよう。

このタウランガの先生達がうちを訪問するのは実は2回目で、前回は6年前。うちの小学部がまだ開校して間もない、生徒が30人もいないくらいのころ。
校舎も建て替え前だったので、今回来てうちの変貌ぶりには驚いていたが、
そもそも、前回来たときも、「この教育の様子はまるでニュージーの我々のクラスルームと殆ど同じだ、なぜここが学校として認められないのかわからない」と言ってくれて、私はその言葉に大変励まされた。

振り返ってみれば、私のビジョン、うちの教師や生徒達のことを素晴らしいといって、励ましてくれたのは、いつも海外からの来客であった。
地元の教育委員会は、見学にも来ようとしない。
中には、サニーサイドは何かおかしな、アウトローな学校だと批判する声も多く耳に入った。
そういうギャップの中で、悶々としながら、我々の時代が来ることをひたすら待ち続けているこの10年だ。

さて、楽しい話というのは、今回訪問した校長先生達とうちの教員、生徒達の交流の様子だ。
恐らく、うちの生徒達は、この校長先生達が、私にとってただの知り合いではなく、友達なのだというのを勝手に感じ取ったのではないか、
もともとお客さんが大好きな子ども達ではあるが、最初から、あたかも自分たちの知り合いであるかのようにワイワイと接する姿がみられた。

短パンTシャツでとてもカジュアルなNZの校長たち

色々なクラスを訪問したあと、校長先生たちが自分たちの学校の写真や映像を見せながら、学校の紹介をしてくれたり、マオリの歌を教えてもらったり、実に楽しい時間を過ごしたが、全部やりとりは英語で、私たちは一度も通訳をしなくてもまったく問題なくやりとりが出来ていた。

しかも「Do you have any questions? Raise your hand!」と言うと、どんどん生徒たちが手を挙げて、なんと英語でしっかりと質問をしているではないか!
むしろ高学年の生徒は最初、恥ずかしさが先行したのかシャイな様子が見られたが、そのうちそこにいた最少学年の2年生の子達までどんどん手をあげるので、それにあおられてどんどん手を挙げる姿があった。

校長である私がその姿をみて、どれほど彼らを誇りに感じたか・・・
それは英語が出来るとか出来ないの世界ではなく、ものおじせずに、「間違えてもいいから挑戦しよう」そういうマインドセットがうちの生徒にはある程度育っていることを表しているのだ。

あちらの学校の写真やビデオを見た子どもたちは大興奮。
会が終わってから生徒に「君たちも行ってみたかったら行けばいいんだよ」というと「えーっ!ホント!いきたーい!」・・・恐らく家に帰ってそのことを話した子も多くいただろう、ご家族は驚いたかも知れない。

午後からは、ニュージーランドへの小学校留学に興味があるといううちの保護者が30名ほど集まって話を聞いてもらった。
「サニーサイドで行われている授業は、ほとんど我々の学校がやろうとしていることと同じか、それ以上の価値がある」と、そんなことは私は言えないわけで、彼らがうちの保護者にそう伝えてくれたことは大変ありがたい。(笑)

集まった保護者の人もNZの学校生活に興味津々のもよう

私からも保護者の皆さんに話した。「今日午前の様子を見ていただけでも、実はうちの生徒達はすでに相当英語は理解できるし、話そうと思えば、それが出来るだけの力もあるようなので、あとはそういう環境にさえおけば、かなりあっという間にバイリンガルになるのではないか」

時折留学生を受け入れている3人の校長先生の言葉を借りれば、彼らの経験上、低学年であれば、1学期(3ヶ月)通えばほぼしっかり英語が出来るようになる、高学年でも、半年あれば、という感じらしい。

今、韓国人の間で流行っているのは、英語習得を短期決戦でやってしまおうという考えらしい。
英語塾にだらだら通うより、半年、一年、母子でニュージーなどに住んでしまって、そこで英語を効率的に身に付け、戻ってきたらそれ以外の教科を強化するという戦略だ。

今どき流行りの「コスパ」「タイパ」という概念でいえば、確かに戦略としては正しいかも知れない。
問題は、先立つお金と、兄弟、家庭事情などだが、その辺りをクリアできそうな人はどんどん挑戦すればいいと思う。

会合後、何人かの保護者が私のところにやってきて言った。「何より、渡辺先生の知り合いの校長先生がやっている学校に行けるのがいい、留学エージェントなどを通さなくてもそれが一番安心できる」と。

その通り。Welcome to Sunnyside.
私は、お金はなくても、色々な知り合いが世界中にいる。特に教育関係者は多い。国の枠を超えて、「子どもにとって、世界平和にとって重要な教育とはどうあるべきか」の一点について、常に交流してきたからだ。

先日、とある大手のコンサル会社から連絡があり、「IBをやりたいという学校からの依頼が多く、学びたいので、1時間ほど電話でお話を聞かせてもらえませんか?」と。
常識を疑う。自分の経験や考えを、それを必要としている人たちにいくらでもシェアしたいと思うが、それをして誰かから高額なお金をもらおうとする輩に、なぜ私が1時間時間をさいてレクチャーしなくてはならないのか、虫がいいにもほどがある。

しかし、今まで自分が時間をかけて培ったものをサニーサイドの生徒のために使うことはこの上なく嬉しいことだ。

まずは、来年3月に、希望する生徒を短期留学として、ニュージーに連れていきたいと考えている。
英語環境を体験することに加え、新しい友人をつくること、自然豊かな環境で楽しむこと、親離れや自立を促すこと・・・
確かにお金はかかるかも知れないが、実に実のある投資であることに間違いない。
双方の学校が直接やりとりして企画するものであれば、エージェント経由のプログラムよりコストを下げることもできる。

この先の時代を生きるのに英語をぜひ身に付けさせたいというのは、ほぼすべての親の願いであろう。
日本で英語塾に通うなどして英語を習得する方法ももちろんある。
しかし、短期であっても海外に行くと言うのは、英語習得プラス、日本ではできない生活体験が多くあるのだ。

お金と時間を子どもにどのように投資するのが良いのか・・・目の前の塾に通わせることだけが選択肢ではないだろう。

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