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【読書感想文】デザインの言語化〜クライアントの要望に答える4つのステップ〜
ゴールデンウィークにレビューを書くと言いつつ、1冊も書いていなかったので書こうと思う。
この本を買った経緯
「デザイン」「言語化」私のアンテナにふれる2つの言葉が1冊に詰まった本を書店の棚で見た時、これだ!!と思ったことを憶えている。
2022年から現在に至るまで、自分の言語化能力と「デザイン」という抽象的な言葉に対して、ずっともやもやを抱えてきた。
例えば、Instagramの投稿を作成している時、
一つの画像に対して、何かピンと来ない、それどころか猛烈にこのデザインは嫌だ!!と思っているにも関わらず、何が良くないのか、どこに原因があるのか言葉にできずに悩むことが多かった。
他にも、インターン先でバナーなどを制作している時、なぜ自分のデザインが良くないのか、良いデザインとは何なのか、コンバージョン(成約)につながるデザインとは何なのか、理解が出来ず、自分に対して腹が立った。
「デザイン」と「アート」は異なる。
世の中を観察してみると、「デザイン」という言葉が一人歩きしているように思える。
「デザイン」ってなんか役立ちそう、とか「なんかできたらかっこいいかも」とか、そういった上辺だけを見ているような情報商材などにもうんざりだ。
「デザイン」=おしゃれなものを作ることではない。
自分の作りたいものやいわゆるおしゃれなものを作るといったようなことは「アート」の領域である。
「デザイン」は「アート」とは異なり、そこに届けたい相手が存在して、その相手に自分の伝えたいことを「伝わる」ように作成することである。
アートがプロダクトアウトであるならば、デザインはマーケットインといったようなところであろうか、といった考察である。
言語化の第一歩はコンセプトの提案から
1.クライアントの思いを読み解く
2.このデザインにした理由を言葉で説明できるように
3.相手の言葉を使って伝える
4.いいコンセプトはアイデアを加速させる
この本は、クライアントワークを中心とした書き方で書かれているが、これは日常に対しても応用することができる。
デザインの言語化(以下、本書)では、デザインの第一歩はコンセプトづくりであると述べられている。
コンセプトとは、デザインをする上で最初に決める地図であり、羅針盤。
つまり、デザインに迷ったとき、コンセプトが立ち返る上で最も大切になってくるということだ。
コンセプトの重要性は、日曜日の初耳学の柴田陽子さんの回でも述べられていた。
長くなってしまったが、自分の作成したものに対して、明確な理由をもたせることが重要ということだ。
だから、「なんでそのデザインにしたの?」とした時に「なんとなく」という回答はもってのほかということである。
「伝わる」ように「伝える」
前の引用部分で、「相手の言葉で使って伝える」ということがポイントとして挙げられていた。
何かの説明をする時もそうだが、相手が分からないor知らない言葉で話したとしても、相手に伝わらなければただの自己満足で終わってしまう。
そもそもの「コンセプト」という言葉一つとってもそうだが、相手の単語の認識と自分の認識がずれてしまっては、話が噛み合わなくなってしまう。
最初に前提を合わせることがイメージを共有する上で大切だ。
それに、分からない横文字も相手が知っているか、正しく理解しているか、会話のレベルに合わせて言葉を使い分けることも重要である。
前提を共有すること、確認することの重要性
自分がデザインを作成している時、相手との認識がずれていたばかりに、全く違うものをつくってしまったこと。
3割位で確認を挟まずに、概ね作り終えてから大幅な修正を食らい白紙に戻ること、この1年で幾度となく反省したことだ。
たとえば、「スタイリッシュなデザインをつくってください」と言われた時、
・スタイリッシュってどんな感じ?
・誰に対するデザイン?
・シンプルとの違いは?
など、曖昧な言葉の解像度を上げること、自分の中で相手との認識が揃うまで遠慮せず質問しまくることも大切だ。
言語のみで伝わらない場合は、参考の画像をいくつか用意して、選択式で質問することも有効である。
他にもたくさん
この本では、デザインの作成前の段階から、実際の作成後、修正、チームとしてのフィードバックの出し方、プレゼンに至るまであらゆる角度で、言語化の観点から解説されています。
デザインを作成する側の人だけではなく、依頼する側の人でも、コミュニケーションを取る上でとても役立つ本だと思います。
「デザイン」は「感性」と思われがちですが、この本を読めば感性ではなく、言語化能力で上達することができると感じることができるはずです。
私も、まだまだ言語化が苦手な部分や、速度、解像度に対して自信がないので、大学生のうちにたくさん練習して、たくさん失敗して壁に当たりながらもがんばっていこうと思いました。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
視点が切り替わってしまったり、読みづらかった部分が多かったかもしれませんが、「デザイン」に悩んでいる人の少しの力になれば幸いです。