「戦略的採用のための教科書(Day⑤採用戦略を立案する-その3マーケティング)」
なぜ書くか
Every Inc.では「HRからパフォーマンスとワクワクを」というビジョンを掲げ、グローバルな取組みやアカデミックな文献からHRに関する歴史、取組み、事例など”日本なら”ではなく、”グローバルスタンダード”な情報を提供しています。
このマガジンでは多くの企業が抱えている、採用活動に関する課題に焦点を当ててみたいと思います。
弊社では、採用コンサルティングサービスとして多くの企業様の採用活動を支援させて頂いており、その知見を少しでも共有し、多くの企業様がより良い採用活動が出来るようにと、これまでクラアイント様にご提供していた「戦略的採用の為に、私が知っている事」をNoteで公開する事と致しました。当然100%正解ではないとつくづく思っておりますし、外部環境の変化、トレンドによって根本的な考え方は変わっていくかもしれません。
しかし多くの採用責任者が、「離職が絶えず、ポジションが永遠に埋まらない」「現場からのプレッシャーに追われ、進歩を感じない」といった問題に直面しています。この教科書では、そんな課題に立ち向かうためのアプローチと、それを支えるための戦略的採用について詳しく探っていきたいと思います。
もし何か採用でお困りのことがありましたらご連絡ください。
「戦略的採用教科書」の使い方
もし、あなたが採用活動をもっと戦略的に行い、組織の効率性と効果を向上させたいと考えているのであれば、この教科書はきっと役立つかもしれません。
もっと戦略的に採用したい
もっと効率的に採用したい
もっと効果的に採用したい
というか・・・
もっと経営に貢献したい
もっと社員を幸せにしたい
そのような事を考えていらっしゃる方に、様々な学術的フレームワークと実践例を基にして頂けるように頑張って作成して参ります。
採用戦略とは何か?
採用活動とは、ビジネス戦略に紐づいて「能力と時間」を確保する活動であるという事をDay1で書かせて頂きました。改めて、その活動を整理すると以下のようになります。
そして、このようなフレームワークを持ち、具体的に採用戦略を立案するプロセスを以下流れで進めていきます。
採用戦略立案のプロセス
私が採用戦略を考えていく上では、以下のプロセスを経ていきます。
Day3 何を目指すか
前回のレビューにおいては、採用活動をフレームワークに則って因数分解して全員の目線をそろえていくというお話をさせて頂きました。ここでのゴールは、「今、私たちはどこにいるのか」という事を理解するという事。
「採用活動を成功させる」といってもチーム全体でその定義を一致させることも容易ではなく、充足率だけを追いかける事もあれば、入社後の定着・活躍を追いかける事もあれば、採用活動の効率化を追いかける事もあります。
ここで改めて認識しておくべきことは人事の役割です。
今、組織において必要な採用とは、どんな役割を担い成果目標を達成する事なのかを確認しておく必要があります。
時によっては、採用活動の充足率は高くても採用担当が長時間の残業を続けており採用活動の効率化が求められる「作業の専門家」としての役割が求められているかもしれません。
組織としてのビジネス戦略が変わり、必要とするコアコンピテンシーが変わり、また人材ポリシーが変わりこれまで採用したことのない人材や能力、また新しい雇用形態を通じて労働力を確保していく「組織の変革屋」としての役割が求められるかもしれません。
ビジネス戦略を実現する為に、必要な能力と時間を現場の視点のみならずHRが専門性とネットワークを生かしながら新しい人材要件を提案したり、その人材が入社後早期に活躍しビジネスへ貢献することを加速化させる「戦略実行パートナー」としての役割が求められるかもしれません。
組織内の不公平や格差を是正する為に、人種・性別・年齢の多様性を確保したりその後インクルーシブな職場環境を作り上げていく「従業員の代表」としての役割が求められるかもしれません。
採用活動一つをとっても、求められることはケースバイケースです。だからこそ、HRとして、企業として、何を優先的に実現する必要があるのか、ビジネス戦略を明確に理解しておくことが必要です。
マーケティング戦略を振り返る
さて、本題に入っていきましょう。
皆さんは採用活動を振り返る際に、どのような振り返りをするでしょうか。
前回のブログでも様々な採用活動の因数分解を行ってまいりましたが、採用活動は①マーケティング戦略(Recruitment Stragery=Candidate communication)と②セレクション戦略(Selection Strategy)に分かれます。
今回はマーケティング戦略(必要な応募者を集め、必要な採用数を達成する)のレビュー方法について、その手法を書いていきたいと思います。
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