恋人以上に大事な存在(その2)
夜道を行く先も分からずただ電話しながら歩いていた。
彼はただただ私に「ごめん」
何度も「ごめんね」と泣きながら言う。
突然周囲が彼を取り込み、
周囲の波に取り込まれ、
その波に飲み込まれそうになっていた彼。
仕事も手につかずミスが続き
頼る人が職場にはいないからと
自身の尻拭いをこの一ヶ月やり続けていたらしい。
それもあり、私は彼女だとしても
周囲には隠された存在だったから
重荷になった私は真っ先に切る対象だと
見なされたようだ。
今はこうやって冷静に文字にできているけど
電話の最中はとにかくごめんばかり言う彼がかわいそうに思えて、私は全く泣けなかった。
これこそ『盲目』
会話中に「きみの理想のパートナーにはなれない」とはっきり言われたのに、
全くその時聞き流していた。
そんなの大丈夫だよ。
これから辛い時がきっと来るから、
その時頼れる存在として置いてて欲しい。
友達でいいから。
完全にさよならしなくてもいいよね?とすがってしまった。
今求めるかたちは「友達」だけど、
私の時間がもったいないからキッパリ別れたがいいと思ってたけどそれでいいの?と
彼は私の説得に少し揺らいだのか
余白を残してくれた感じ。
どんなに話しても決着は付かないように感じて、結局最後に今度会う約束をした。
会えるだけで嬉しくて、
この日は一旦おやすみを言って電話を切った。
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