ニュータイプ@発達編13
話し合いのあった週末、
久々に父さんが我が家の敷居を跨ぎました。
元々、子ども部屋を2部屋作っていたので息子が自由にしていたのですが、そのうち一部屋を父さんの部屋にすることに。
父さんは早く取り掛かりたい様子でしたが、息子が「父さん、庭で遊ぼうよ!」と声をかけました。
「いや、今日片付けないと、また一週間帰って来れないんだ」と深刻な顔をして息子に伝える父さん。
「え?別にいいよ。遊ぼうよ!」
とキョトンとした顔で言う息子に、無言ながらもあからさまにショックを受けていました。
自分をイクメンだと思ってますものね。
子どもに求められていると思ってますものね。
心の底から信じていたんだなぁと驚きと笑いをこらえていたら、見守る私に気付いたのか、すごすごと息子と庭へ出て行きました。
息子の意見より自分を優先するとまた文句でも言われるとでも思ったのかな。まぁ言うけど。
夕方頃、ようやく庭遊びから解放された父さんが部屋を片付けようとすると
「あれ?そこ僕の部屋やん!おもちゃ勝手に触らないでよ」と息子がストップをかけました。
「お父さんのお部屋がないと一緒には暮らせないからね、ムスコの部屋は2つあるから1つお父さんの部屋にしようと思うんだ」と、これまた神妙な顔で伝えると
「は?イヤなんだけど。部屋ひとつ減るなら帰って来なくていいよ」
と、ASDの特性バリバリな返答。
父さんは言葉を失い、その週末の片付けは叶わず、すごすごと実家へ帰っていきました。
息子の特性の強さは今後課題だなと思いつつ、真っ黒に澱んだ私の腹は少しスッキリ。
いや、でも少し可哀想だったかなぁ…いや、でもそうやって甘やかすからつけあがってしまったのではと考えがグルグルめぐる。
人の善意を当たり前だと勘違いして、おかわりを要求、断られるとイライラを撒き散らし、咎められたらそんな事実はないと本気で脳内から抹消して反論、証拠を出せば話をそらしてうやむやにするのがお決まりのパターン。だめだめ、流されちゃだめ。
当初のルール通り、息子の成長を見守りたいための同居であることを前提に、息子にイライラすることなく片付けをした父さん。
合間に発達の検査もありました。大人の発達検査、受け付けてくれる病院が少なく、かなり待ちましたが、ようやくここまできたか…。医師の診察で都合よく事実を捻じ曲げていらっしゃったので「定型発達なら離婚ですよ」と声がけしておきました。
結果が出る前には自宅内のそれぞれのスペースが確保されたので、
「私が10年かけて受けた傷や怨みをこれからの10年で返すつもりだから覚悟してくださいね。それでチャラになるわけじゃないですよ。傷は一生消えないかもしれません。それほどの苦痛を私に与えたということを忘れないで」
と話をして同意してもらった後に、家庭内別居をスタートしました。
父さんは仕事から帰ると夕食を作り、洗濯は自分のものだけ取り込んで、ジムに行くついでに買い出しをして、翌朝の洗濯機をセット。朝は洗濯を干し、浴槽を洗い、庭の手入れとゴミ出し。息子を2日に一回風呂寝かしつけを行う。
『息子が寝たら各々自室に籠る』という約束を数週間は守りましたが、しばらくするとリビングでテレビをつけてくつろぐ姿がみられたので、「約束は?」と聞くと「夜食を食べる間だけ…」などと言い訳しつつも次の日には修正。顔を合わせるのは最小限での生活を送ることができました。
そしていよいよ、発達検査の結果の日。