小1ASD@許す課題①
学校帰りに先生に呼び止められました。
息子は暗い表情。
「今日3時間目、4時間目に泣いてしまって授業を取り組めなかったです」
「お手数おかけしました。どうしたんですか?」
「3時間目に、はたらく車の中で好きなものを一つ調べる課題がありました。4人の班で図鑑を一冊配り、ムスコくん以外の3人は救急車、ムスコくんはパトカーを調べました」
息子はじっと黙っている。
「息子くんが先にパトカーのページを見ていたら、班の子は全員救急車を調べたいと勘違いした子が『ムスコくん救急車のページにしないといけないよ!』と注意したようで…私が見つけた時には静かにポロポロと涙を流していて…」
「おぉ…」
「周りの子から事情を聞いて状況は分かったのですが、ムスコくんの気持ちの整理がつかず、4時間目の体育も参加できませんでした。」
「ムスコからしたら理不尽に指摘されたのが受け入れがたかったんでしょうね…体育は毎回記録しながら頑張ってたのにお休みになっちゃったんだね。それほど気持ちが辛かったんやろなぁ」
息子は眉をひそめたまま動かない…。
「給食の後に話し合いをして、相手の子に謝ってもらったのですが、まだ表情が晴れず…お伝えしようと思って。」
「そうだったんですね。気にかけていただきありがとうございました。また家でも聞いてみます。」
何も話さない息子を連れて、先生と別れました。
「で、どうしたん?」
「…なんて言っていいかわからない」
「そっか、今、心がモヤモヤしてるんちゃう?」
「それは、そう」
「じゃあ、一緒に言語化してみよう。気持ちが言えたら、状況は変わらなくてもモヤモヤが少し晴れるから。」
「うん…」
「クラスの子に対してまだ怒ってる?」
「それもちょっとあるけど、それ以外もある」
「今はそれ以外が大きいんやな」
「うん」
「それは誰に対してのモヤモヤ?」
「先生」
「ほぅ、先生か。どうしたん?」
「先生に『でも』って言われた」
「でも?」
「クラスの子は謝ってきた。わざとじゃないのも分かったからそれはいい。でも、先生が許してあげてって。謝ってるよって。」
「そっか…」
「謝ったから許すのはおかしいって先生に言ったけど『でも』って遮ってきた。だからもう喋れなくなった」
「なるほどねぇ。たしかに謝罪は相手の反省の気持ちの言語化であって、許す許さないはムスコの心の問題だよね。自分以外の人に無理やり心を押さえつけられたら、そりゃ苦しかったなぁ」
ポロポロと泣き出すムスコ。
モヤモヤの原因はこれかー…さて、どうしよう。