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小1ASD@くじらぐもの課題

国語の教科書に『くじらぐも』という話があります。雲のくじらが体育の授業をしていた子どもたちと楽しく会話し、背中に乗せて空を飛ぶという話。

そこから図工の授業で、自分の全身を描いて、大きなくじらぐもに飾るという課題に発展したようなのですが、家庭で「どうしてもできない…辛い」と泣いて不安を表出させました。

彼の話では、「雲ってH2Oでしょ。どうやって人間が乗るん?」と物語自体に大きな不信感があり、先生の作った大きな綿のくじらぐもに自分の絵は乗せられない、と。

また、人間に興味が薄いので人物画が超苦手。昆虫や図形を模写するのは好きですが「人間は描きたくない!下手だから!」の一点張り。


「そっかぁ、キミには辛い課題やったなぁ。雲には乗らんでいいと思うよ。先生にお母さんから手紙で、地面に…あるのか分からんけど、なければ地面スペースを用意してもらって飾ってって書いたら安心?」

「うーん、でもみんなと違うのはどうなんだろう」

「H2Oやもん、みんな次の瞬間には地面に真っ逆さまやろ。安全な地面で見守ってた方が賢くない?」

「あー、たしかに。じゃあ大丈夫やわ」

「そっか、一個解決やね。あとは描けない問題やね。キミ、丸や四角の図形はよく描いてるけど、それはいける?」

「うん。それは全然いける」

「じゃあさ」と、丸と長方形の組み合わせで人間が作れることを伝えました。その外線をなぞって(肉付け)して、図形を消せば上手に仕上がるよ、と。

デッサン用のマネキンで息子に描きたいポーズを作ってもらい、それを図形で表現

あとは下手だという思い込み。よく話を掘り下げると、彼が比較しているのはゴッホやアルフレッドミュラーレベルの自画像だと分かったので、父さんにご協力いただき自画像を描いてもらいました。絵を見てケタケタ笑う息子に、すかさず「この父さんの絵を見本に描いてごらん」というと、襟元がないのでナイキのロゴは刺青であろう、ズボンが一部破れている、髪が8本しかない。頭の骨の上半分がないとボロクソに叩いたのち、「だからコレは見本にはならない」と言って、スラスラと自画像を描いてくれました。

右が父さん、左は息子

取り組めた1番の理由は、比較対象がゴッホから父になって、描くことへのハードルが下がったからだろうな。

翌日父の自画像(気に入ったらしい)とメモを持って登校させたところ、支援の先生と一緒に自画像を作成して、地面部分に飾れたとのこと。

学校では「描『か』ない子」で終わっていましたが、家では「描『け』ない」と教えてくれたので、今回は対応できました。
「よく話してくれた!キミが頑張って言語化してくれたおかげで、課題が終わってラクになれたやん!よかったな」と、息子と振り返っておいたので、次の課題につまずいたときも相談してくれるといいな。

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