完母育児のあれこれ
はじめに
この記事には母乳育児を勧める、あるいは否定する意図はまったくありません。
また、わたしは医療関係者でも専門家でもなく、4ヶ月間授乳を続けている一児の母にすぎません。
育児日記の一頁として読んでいただけますと幸いです。
生後4ヶ月になる娘がいます。
現在、1日に6〜8回ほど授乳が必要です。
完全母乳(完母)育児をしています。
わたしの母も祖母も、母乳が出て仕方ない人だったと聞いていたので、
自分もいつか授乳をすることになったら母乳だろうなとは思っていました。
予想通り、出産翌々日には十分に搾乳できてしまうほど“よく出る”タイプで、
入院中代わる代わるやって来た助産師さんたちは
口を揃えて「めっちゃ出るね!?」と驚きを見せてくれました。
また娘も生まれた直後から“飲むのが上手い”赤ちゃんだったらしく、
授乳における相性はばっちりだったようです。
それでも産後まもない身体での母乳育児はしんどいものがありました。
新生児期は多い日で1日15回。
もちろん昼も夜も関係ありません。
出血多量だった出産からの回復が不十分な状態で、
どんどん赤ちゃんに鉄分を奪われる。
育休中の夫がどれほど張り切ってスタンバってくれていても、
母乳での授乳は自分にしかできないこと。
自分のことでいっぱいいっぱいな産褥期でありながら、「自分にしかできない」ということへのプレッシャーも強く、
授乳泣きされるとため息が出るようなことも。
人工乳(ミルク)を頼ることも多くありました。
(そして胸が張って辛くなる)
母乳とミルクの混合でいきたいという気持ちがあったのも正直なところ。
哺乳瓶が使えた方が何かと楽でしょうしね。
(助産師さんいわく完母の子でも必要なときは哺乳瓶でも飲めちゃうとのことで、その心配はいらないらしい。)
その一方で
どうやら生後2ヶ月頃には母乳育児が軌道に乗ったようでした。
自分の身体がある程度回復し、新生児期に比べて授乳回数も減り、
気づけば授乳することに抵抗がなくなっていきました。
そうなると今度は
ミルクを作るほうが面倒くさい。
ミルクを作るのって地味に大変なんです。
一般的な作り方ですが
お湯を沸かし、
粉を計り入れ、
溶かし、
流水で人肌の温度まで下げます。
しかもだいたいにおいて赤ちゃんは空腹でギャン泣き中。
部屋に響き渡る絶叫のなかこの一連の作業をするのです。
ちょっと待っててねー なんて言いながらせっせと調乳作業をし、
授乳クッションをセットして抱っこ、
やっとのことで飲ませても飲み切らないことも多く、
もったいないなと思いながら(一度作ったミルクは再利用できません)ゲップをさせ、
無事に寝かしつけや抱っこ解除ができたら、(これが難しいんですよね)
哺乳瓶セットを洗い、
消毒し、
乾かします。
月齢が低いと、ふぅと息ついた頃にはまた空腹泣きされることも。
それに対して母乳での授乳だと調乳作業がありません。
空腹泣きされたら、
授乳クッションをセットして抱っこ、
服をベロンとめくったら、
授乳開始。
授乳後はせいぜい拭き取りや保湿があるくらいで
面倒な洗い物の必要もありません。
母乳は母乳で貧血など身体のダメージはありますが、
手間や面倒という点では母乳のほうが楽かもしれません。
あとお出かけ先でのお話。
これはどうなんでしょう。
ミルクさんの大変なところはやっぱり荷物。
調乳用のお湯を確保できる授乳室もありますが、
魔法瓶などでお湯を持参しておいた方が安心な場合も。
その一方でどこでも授乳ができるという点は
母乳と違う気楽なところだと思います。
母乳だと調乳セットや哺乳瓶を持ち歩く必要はありませんが、
授乳室がないと授乳できません。
施設の混雑時には授乳室が空いていなかったり。
これが地味にプレッシャーになります。
車移動をされる方は、車内で授乳をすることもあるようですね。
わたしは車を持っていませんし、授乳室が満室の場合も考えて、常温で飲める液体ミルクと哺乳瓶を持ち歩いています。(これがなかなか飲むのが難しい!成功例なし!)
それから細かい違いにはなりますが、
摂取量がミルクだと明確で「飲めているか」が分かりやすい。
これは母乳にはないメリットのように思います。
あ、これを忘れてはいけない。
完母だと赤ちゃんのお預けができないこと。
完母ママはどこへ行くにも常に赤ちゃんと一緒である必要があります。
夫に赤ちゃんを預けて1人でお出かけしたくても
次の授乳までには必ず帰宅しなければなりません。
次の授乳が何時間後なのかは赤ちゃんの気分次第なので
空腹泣きされてもなす術がない夫に預けるのも忍びなく
わたしはいつも1時間程度で帰宅します。
これが完母育児をしていていちばん 辛い と思うポイントです。
そう思うと母乳とミルクの混合育児にできたらいいとこ取りができるような気がしますが、
なんせ"よく出る"ので
授乳間隔が空きすぎると胸が張って痛くなったり
乳腺炎の心配があるんですよね…
そんな完母育児を続けていて思う母乳のメリットは
まず赤ちゃんの食費が0なところです。
ほんの数ヶ月間の話でも、これはありがたいですよね。
それと何もせずとも痩せていくこと。(個人差あり)
お腹が空いて仕方ないから毎日ゴミ袋がお菓子ゴミでいっぱいになるくらいむしゃむしゃしてるけど、
運動習慣は毎朝のラジオ体操だけだけど、
それでも体重は産前-4kgです。
ひと昔前のスタイルで育児をされる方や医療関係の方は
母乳の栄養面を最大のメリットと考える方が多いようですが、
人工乳の栄養も侮れません。
わたしの姉は子供2人を完ミ(完全ミルク)授乳でしたが、
2人ともたいへん元気に大きく育っています。
産後や育児中はどうしても心が荒れることもあるので
自分が母乳だと「ミルクの人は貧血に悩まなくていいよね」とか「どこでも授乳できるから気楽でいいよね」なんて思うこともありました。
ミルクの方はミルクの方で「母乳だと手間がないからいいよね」「ミルク代だって馬鹿にならないのに」とか思ったりするのでしょう。
完母育児のあれこれ
なんてタイトルをつけたわりに、授乳全体の比較になってしまいました。
今回の記事をきっかけにこれまでの授乳を振り返ってみましたが、
母乳は母乳で、ミルクはミルクで大変です。
どんな方法であれ授乳期の赤ちゃんを育てるママさんたちは(自分も含めて)素晴らしい!
そして多かれ少なかれ頑張って飲んでくれる赤ちゃんへの感謝で胸がいっぱいになります。
願わくば
1人でも多くのママさんが家族のサポートのもと少しでも楽に授乳を続け、
1人でも多くの赤ちゃんが順調に育ちますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。