スマートウォッチに支配される
次はもうスマートウォッチは買わない。
朝起きてスマートウォッチの通知を見て、私はそう決めたのだった。
私が初めてのスマートウォッチを手にしたのは2017年。もう7年も前で、アップルウォッチシリーズの2か3くらいだった。
周りに持っている人はほとんどおらず、珍しがられた。
当時大学生だった私は、マッチングアプリで知り合った京大生に勧められて購入を決めた。彼は通知が見れるのがいいよ、と言った。
それから6年ほどアップルウォッチを使い、去年の冬にGarminのスマートウォッチに買い替えた。
アップルウォッチは壊れてはなかったが、容量がいっぱいだと頻繁に表示されるようになったので、6年も使ったし買い換えようと思って、次は違うメーカーにした。
Garminのスマートウォッチには、ボディバッテリーという独自の概念がある。まぁ元気度みたいなもので、1日活動すると下がっていき、寝ると回復する。
睡眠の質が良ければあまり回復しない。
そして睡眠にも、点数がつけられる。
で、朝起きたらよくこのスコアを見るわけだが、寝て起きて睡眠スコアが低くてボディバッテリーが回復してないと、すごく落ち込むのだ。
「あー睡眠悪かったんだ」と。
気持ちだけでも元気に1日を始められたらいいのに、点数で評価されることによって、テンションが下がる。
私はお酒も飲まないし、そこまで夜更かしもしない。不眠症で睡眠薬も飲んでたことがあるくらいで、もともと寝付きが悪いし睡眠は浅いしわかってるので、睡眠には気をつかっているつもりだ。
元々そんなに睡眠の質が良くないことはわかっているのだが、評価されるということがかなり精神的にダメージを与えていることにある日ふと気がついたのだ。
気を遣ってても睡眠の質をあげるのはカンタンじゃないのに。
無機質に評価しないでよ。
睡眠が悪かったよと言われることで、言われないときと比べるとそれだけで1日のパフォーマンスが落ちる気がする。
睡眠の質は翌日のパフォーマンスにも影響するから、しっかり寝たい。
でも測定することが逆効果になってるんじゃないの。
そう思ってから測定されることにうんざりし(それでもしているのだけど)、次からはスマートウォッチやデバイスは買わないでおこうと心に決めた。