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人生を変えた本

自分の考え方や価値観を考えた出来事について話していたら、「読書家なんですね。これまでも本によって人生の岐路を迎えてきたんですか?」と言われた。
そのときは、「いえ、そんなに本によって人生に影響を受けたことは多くはないのですが…」と笑った。
本で人生を何度も変えられるのは、軽すぎるんじゃないかと思ったのだ。

でも、そのあとにその言葉を反芻していたら、実際に本を読んで影響を受けて決めてきた人生の選択がいろいろあったことに気づいた。
選択のきっかけなんて、本当は些細なことなのかもしれない。
私たちは常日頃から、様々なものの影響を受けて生きている。

研究室を選んだきっかけになった本

私は薬学部出身だが、研究室は基礎研究に近い生物系のところを選んだ。理由は、分子生物学に興味があったから。
そのきっかけも、実は本を読んだことだった。

生物と無生物をわけるのはなんなのか、そういったことが書かれている。

生命を構成する分子は、実は常に入れ替わっている。
それを知って衝撃を受け、分子生物学に興味を持った。それに一番近い研究室を選んだ。
結果、女子学生が多いはずの薬学部で同学年は私以外みんな男子という癖の強い研究室に入ることになってしまったが、なんだかんだ卒論を終えられた。

この本がとてもおもしろかったので色んな人に勧めたが、同じようにおもしろがってくれる人にはまだ出会えていない。

留学を決めた本

これは、就職が決まらずフリーターになった著者が、努力を続けてハーバード大に入学し、そこでも努力を続けて修士、博士と道を進める体験談をもとに書かれた本だ。

当時私は薬学部の5年生で、留学したいと思いながら迷っていた。薬学部のカリキュラムでは、休学せずに留学に行くことはできない。(短期なら行けるだろうけど)
しかも自分はもう5年生。学生生活は残り1年と少ししかないのだ。この段階で留学するのか?と悩んでいた。

でもこの本を読んで、努力も行動もせずに迷っているだけでいいのか?諦めてはいいのか?と思い直し、休学して留学することを決めた。
学年はズレるし卒業も遅れるし国試も一人で受けることになるけど、それでも決めた。

これはこの時期に読んで良かった本だと思う。

人生の軸を考えた本

これはエネルギーと人類の歴史をたどり、現代社会の課題についても考えさせらる内容だった。
いろんな観点からエネルギーについて語られており、物理や化学の観点もあったので過去の学びとも重なっておもしろかった。
エネルギーにロマンさえ感じた。

このすぐ後にサピエンス全史を読んだのだけど、その流れも非常に良かった。

人生で何を大事にして、何を成し遂げるのか?このまま資本主義社会でぼんやり過ごしていていいのか?と投げかけられたように感じた。
それがきっかけでライフスタイル、生き方、仕事についても考えるようになり、自分の中で軸ができたように思う。

本当に読んで良かった本ベスト1位なのだけど、勧めてもあまり読んでもらえない。ぜひ読んで!

人生観を作った本

これは小説なのだけど、この3冊。

人生を変えたとまでは言わないけど、人生観や考え方にはかなり影響を受けたと思う。

上2冊は大事な人を大事にすること、3冊目は自由に気ままにしたたかに生きること、そんなことを考えさせられる話だったと思う。


そのときどきで、様々なものに影響を受け、考え、生きてきているけど。やっぱり私のなかでは本は大きな影響力を持っている。
昔より読める冊数は減ったけど、昔から大好きだったのだ。寝る間も惜しんで本を読み、授業中もこっそり本を読み、バス停でバスに置き去りにされるほど熱中して本を読んでいた学生時代。毎日友達と通っていたのは学校の図書館だった。

そしてどの本にどんな影響を受けるかも、やっぱりタイミングだと思う。タイミングが少しでも違ったら、そのときどきのような決断をしなかったかもしれない。
巡り合うべきときに、巡り合うべき本に出会える。これからもそういう出会いがあるといい。


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