2024年 良く聴いた音楽など、邦楽編

■Evraak「REQUIEM FOR LOST TIDES」 2024年

アルバム通しで真剣に対峙する気持ちが自然と湧いてくる作品。

特に「REQUIEM FOR LOST TIDES」の、真摯な心象風景が浮かぶアルペジオに乗る言葉には、理屈抜きで心が深く揺さぶられます。
知らず知らずに涙腺が緩みました。畏怖、慟哭、対峙、伝わるそのどれもが真っ直ぐで美しいのだと感じます。

・EVRAAK / REQUIEM FOR LOST TIDES (Official Teaser)

■CRY「弐」 2024年

メロディがあっても激しさを失わない、リフとリズムの格好良さと、日本語詞で叩き込む叫び。
ライヴでの生々しい迫力をそのまま感じる音と、楽曲そのものの良さで、アルバム通しで聴きたくなる一枚。

後半の、1stの「告別」と関連があると思われるフレーズが聴ける「哀歌」から、怒涛の勢いの「至高への到達」の流れも最高。

・CRY 2nd Full Album「弐」Official Teaser

■明日の叙景「LIVE ALBUM : Island in Full」 2024年

2023年に行われた「ISLAND」の全曲演奏ワンマンライヴのライヴアルバム。
曲順が変わることで、アルバムとはまた別の盛り上がり方になっている点も魅力。

ブラックメタルの影響がありながら、夏の暑い日差しの中でエモーショナルな幸せを感じられるのが、とても独特。

・明日の叙景 "Live Album: Island in Full" 2024.3.20 On Sale

■明日の叙景「コバルトの降る街で」 2024年

配信シングル。
8ビートでシンコペーションするのが90年代V系の魅力のひとつなら、さらにブラストビートでシンコペーションするのがこの曲。
揺蕩うような刹那的なアルペジオも好み。

・コバルトの降る街で

■kokeshi「憧憬 Monochrome Edition -完全版-」 2024年

重さや昏さだけでなく、「kairai」のアルペジオのような痛みを伴う美しさも胸を打ちます。
日本語で語られる言葉、呪術的とも感じる緊張のある音空間。緩さの全く無い凄みに聴き入りました。

・kokeshi - 憧憬 -完全版 Monochrome Edition- Teaser

■マキシマム ザ ホルモン「キ・セ・イ・ラッシュ」 2024年

Disc1「殺意 vs 殺意」は、シンプルに格好良いギター・リフと、歌メロの良さに、ヘヴィで厚い音作り、ライムとフロウの心地良さ、浮遊感のあるEDM要素も加わって、本気の格好良さを感じる1曲。
Disc2「カロラカロケム」は、ゲストアーティストがメインの聴き所なのかと思いきや、アレンジも違ったヴァージョン。
聴く度にどんどんハマっていく2曲。

・マキシマム ザ ホルモン 『殺意vs殺意（共犯：生田斗真）』Music Video

■Sound Horizon「ハロウィンと朝の物語」 2024年

3楽章構成ながら、1曲1曲がとても聴きやすく構成が連続しているので、1曲として自然に聴ける作品。

音楽的には、「物語」、「小生の地獄」とストレートなメタル曲が2曲続く構成に驚き。
「皐月の箱庭」での心に染みる歌詞とメロディ、お祭りソング的なアレンジながら、実は美メロなサビも胸を打つ「Halloween ジャパネスク '24」と、何回聴いても新鮮。

・皐月の箱庭

■Acoustic Asturias「Somewhere Not Here」 2024年

過去3作は自然を感じさせるメロディアスなイメージでしたが、今作は、ダークなでアルバム全体にもどこか哀しさが漂う感覚があります。
未知の場所へ旅をしているかのような感覚で、絵画にも読書にも通じる静かな思索の深さを思わます。

・Acoustic Asturias new album "Somewhere not Here" Trailer

■平沢進「植物電子の本 / The Book of Phytoelectron」 2024年

前々から予告されていたギターインストアルバムです。
精神世界の情景の中で揺蕩うような、澄んだ瞑想的な世界。

・「記憶草の万象歴 / The History of Omnificence in Memory Grass」by 平沢進 / Susumu Hirasawa

■Machete Tactics「Inifinite Terror」 2024年

ストレートなデスラッシュ。練られたリフと、決してダレない展開は聴けば聴くほど癖になり、連続してリピートで聴くアルバムでした。

・MACHETE TACTICS / INFINITE TERROR - Trailer