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『点呼する惑星』ライブDVD感想

初めて見る「インタラクティブライブ」

「会場との一体感」、あなたはお好きだろうか。
もしお好きだったら、このライブ映像に全神経が釘付けになることだろう。

今回は、あなたが"なんとなくインタラクティブライブの概要"を知っていると想定し、ライブ『点呼する惑星』のDVDを通して、インタラクティブライブを見た感想をお伝えする。

観客との結びつきがショーになる

ステージが必要として観客の声を求めると、今まで清聴していた客席が箍が外れた様に盛り上がる様子に、ライブが観客を引き込む力と、両者の強い結びつきに驚嘆するはずだ。

某テーマパークの観客参加型アトラクションで、観客の参加率や盛り上がりの低さに、演者がとうとうそれを自虐的なネタとして話題に取り入れている様子を何度見たことか。

会場の外にいる観客を湧き立たせるもの

反応する観客は、会場やライブ映像を見ているファンにとどまらない。

ストーリー形式で進むライブの、ストーリーの部分にある「物語に存在する、考察できる余地」が、ファン同士の間でライブが昔のことになっても長く語られるネタを提供してくれる。

あなたも「平沢進」「(曲名)」、「解釈」だとか「考察」と検索した心当たりがあるのではないか。

そんなあなたはもう、時空を超えた観客の一人なのだ。

「オチ」に仕組まれた罠

そしてこのライブ、物語の最後にオチがある。

そこでファンのうちの誰かが自宅でオチを迎えるたびに、ライブ『点呼する惑星』を知っているファンたちは、物語をもっと知ろうとネット掲示板で考察を繰り返す。

私は、それを推考して、あえて表面的に物語が作られていた。なんてオチも実は用意されているのではないか、と想像してしまう。

さらに、もしかしたら今後、そんな想像をしていたファンに対して、答えとしてオチを用意してくる日があるのではないかとも考えてしまう。

そう、このライブ、どこから見てもスキがないのだ。

スキのなさにハマってゆく

会場内外、リアルタイム視聴かどうかを問わず、ファンを操ることができる「求心力」と、平沢さんが作り出す落語の様に洒落っ気のある物語も相まって、ライブ映像は何度見ても飽きない。
これが今、平沢さんだけが持っている唯一無二と言われる「興趣」なのだろうか。

そしてオチの件と言い、スキがないのだ。

なのに我々は、解釈し考察することをやめられず、ショーに対する新たな展開がある事への願いを捨てられず、もどかしさを埋めるために平沢さんを求め続ける。

そこには、何か自分を納得させるための"最高のオチ"を期待する気持ちがあるのだろうか。

写真:
『点呼する惑星』をイメージしながらいけた、創作いけばな。
何もない場所に佇む無限の可憐さと茶目っ気を感じてもらえると嬉しい。

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