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【旅行記録】エクストリーム箱根さんぽ


9月上旬に箱根に行ってきた。
2泊3日で、温泉と美術館、ご飯と散歩を楽しむ旅程。
808 Monsmare→ラリック美術館・オリエント急行→ポーラ美術館→芦ノ湖と巡ってきたので、その記録。
写真はNikon Z50と、ときどきDazzカメラ(アプリ)を使用。

808 Monsmare

箱根湯本から徒歩7分ほどの場所にあるイタリアン「808 Monsmare」
もっぱらピザが美味しいとの噂で訪問したけど、ピザはもちろん、コーンスープ、季節の野菜の燻製、ワイン、なにもかもが美味しかった!!!箱根に行くならこの店は間違いない。

モダンな雰囲気の外観
活気のある店内

ピザを3種頼んだけど、どれも今までで食べたことないくらいにおいしかった…。ピザなのにジューシーという形容詞がぴったりくる。

箱根燻製モッツアレラチーズの乗ったマルゲリータ。ギルティな味…。
最近、窓が気になる

Hakone Emoa Terrace

ずっと行きたかったラリック美術館に隣接するHakone Emoa Terraceの朝食へ。いつもは開店前に並んでいて、入店に時間がかかると聞いていたけど、平日ということもあってか、他のお客さんがほとんどおらず、ゆったりと過ごすことができた。

静かな店内

朝食は、卵焼き・オムレツ・スクランブルエッグから選べる。
こういう卵料理を選ぶ時はだいたい自分でつくるには手がかかるオムレツを選びがちなのだけど、卵焼きとかスクランブルエッグを頼む人は果たしているのだろうか..?(一緒にいた2人もオムレツにしていた)

ふわふわなオムレツ
サラダ・パン・ドリンク・ヨーグルトまでついてくる…!
席から見えるオリエント急行

オリエント急行

箱根ラリック美術館で1日3回だけ開催される、オリエント急行の車両でのティータイム。当日、現地での予約しか受付けていないので早めに予約をしておかないといけない。当日の午後の回はすでに団体客の予約があるということで、朝1番の回で予約をした。10時から。

ルネ・ラリックは工芸家としてガラス作品を多く作り、内装も手がけていたとのこと。そしてこのオリエント急行の車両の室内装飾も彼の作品。1929年から2001年までパリとフランス南部を結ぶルートで運行されていたけど、現役引退後、箱根の地に運ばれてきた。

椅子などの調度品ひとつひとつが美しい。素敵。
ティーセット

乗車時間は30分。アンティークな内装に見惚れつつ、ティータイムを楽しむ。

窓とガラス工芸
花のような電球もラリック作

ラリック美術館

ティータイムの後は、ラリック美術館に足を運んだ。撮影禁止だったので写真はなし。

ラリック美術館では、彫刻や家具、壺、宝飾品と幅広く制作活動をしていたルネ・ラリックの作品が展示されている。
彼の代表作である香水瓶「dans la nuit (=夜に)」がとても素敵だった。青の球体の瓶に月明りと星が瞬くようにちりばめられている。
「verre le jour(=夜明け前に)」と名づけられた香水瓶も、下から上にかけて橙色から黄色への色の変化の色彩のグラデーションは暁の「あかり」を連想させて見事だった。

ラリックの作品は日本の花鳥風月に大きな影響を受けていて、壺などの工芸品には日本の動植物が施されているものもあった。ジャポニズムというと、まっさきに葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」などの浮世絵に特色がみられる絵画の構図や色遣いが思い浮かぶが、鳥獣、草虫、風景といった自然をモチーフとするところにも、日本の影響があるということを知った。といっても、ただ自然をそのままに描写するのではなく、自然の生き生きとした躍動感や生命の神秘(=変容のプロセス)を描き出そうとするところに東洋的な美の感覚が宿っているのだと感じた。

ポーラ美術館

フィリップ・パレーノの展示「この場所、あの空」を目当てに訪問。現代的な美術館。

フランスのアーティストであるフィリップ・パレーノの展示。作品は、映像、音、彫刻、オブジェ、テキスト、ドローイングと多岐にわたる。
現実/フィクション/仮想の境界、あるいは実物と人工物との間に生じる乖離、その奇妙なずれが主題となっている作品が多い。

ふきだしの形をした黄金色のバルーンが頭上一面を埋め尽くしている《ふきだし(ブロンズ)》という作品。期は労働組合のデモンストレーションのために制作されており、人々が自らの主張をふきだしに書いていたそう。
現代であれば、SNS上で呟かれる膨大な言葉や、声を上げられない人々の無言の抗議を連想する。

空を泳ぐバルーンの魚たち。

一番記憶に残っているのは、パレーノの代表作である映像作品《マリリン》。マリリン・モンローが1955年公開の映画『七年目の浮気』の撮影中に滞在していたホテルのスイートルームが舞台の作品。映像の冒頭では、金色の夕日に照らされたホテルの室内のソファや椅子、ワインの瓶が映し出される。マリリンの囁き声と、手紙の上をペンが走り残される筆跡と音。映像が進むと、窓の外では雨が降り、手紙の筆跡は何度も繰り返し上書きされ、囁き声もまるで中身などないかのように同じ文言がリピートされ、だんだんと不穏な様子に様変わりしていく。終盤には室内の風景の中に、大きな黒い機械が映り込み、マリリンの存在はただの幻想であることが種明かしされる。テクノロジーによる音声や筆跡、視線の再現によってマリリンの存在を匂わせる不穏な作品だった。

「印象派からリヒターまで」の展示。

クリームソーダ!黄色い壁紙に映える。

ポーラ美術館は外にも彫刻の展示がされている。

緑に囲まれている
空気が澄んでいて植物もいきいきしてた
虹の細道

芦ノ湖

箱根旧街道を少し歩いて芦ノ湖へ。
本格的に歩くと4時間くらいかかるらしいが、さすがにそのような体力が残ってるはずもなく、ゆるりとさんぽを楽しむ。

箱根旧街道を歩く。苔むした石畳に夕陽が差し込み、先ほどまでいた町の喧騒とは遠い緑の世界が広がっていた。このまま歩いていくと、別の世界に行ってしまうんじゃないかというような幻想的な雰囲気があった。

苔むす石畳。

江戸時代の人たちもこの道を歩いたのだと思うと感慨深い

芦ノ湖に到着。すっかり夕陽が落ちる時間になっていて、山脈ごしに残った光がにじんでいた。

夕陽に照らされる芦ノ湖

帰宅中のアヒルボートたち。

哀愁

最後にこの景色が見れてよかった。美しくて心洗われた。

これまでの経験上、比較的涼しくなってくる9月頃に旅行をするのが至高だと考えているが、例にもれず、今回の箱根旅行も(暑かったけど)季節としては最高のタイミングだったと思う。

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