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「花きみ」長ーいあとがき〜裏話(※ネタバレ含むので注意です)〜

五十嵐美怜です! 
年の瀬のお忙しいときに目を通していただいでありがとうございます。
今年も残り数日になってしまいました……。案の定、今年もnoteあまり更新できませんでした(^◇^;)昔から三日坊主な性格です……笑

さて、12月16日に、「花とつぼみと、きみのこと。」の第5弾が発売されました!この第5弾で「花きみ」シリーズは完結となります。
いろいろありましたが無事完結という形をとれたこと、良かったなぁと思っています。
花きみを創っていた期間を振り返ってのあとがきというか、物語の裏話など可能な範囲で書いていきます。
ネタバレを含むので、「花きみ」を読んでくれている方は、ぜひ5巻まで楽しんでからこの記事を読んでください!

◎物語ができるまで

以前の記事にも書いたかもなのですが……
2020年はじめ「キャラがたくさん出てくる逆ハーレムが書きたい!」と思う→他のシリーズと被るので逆ハーレムは却下される→キャラがたくさん出てくるという設定だけ残り、シェアハウス・寮・山村留学など舞台を転々とする→マンションに落ち着く→2020年12月なんとかプロット通り、プロローグだけ書いて見てもらう→2021年年末年始に泣きながら原稿書く→奇跡的に好感触、奇跡的にすぐイラストを描いてくれる先生が見つかり、出版へ(2021年4月発売)
という流れでした。
キャラの名前は10年ぐらい前の名前ランキングを見てつけることが多いのですが、芽依、さくら、葵、蓮……などみんなボタニカルネームだったので、「花」がテーマのお話になりました。
裏話①「クローバーハイツ」というマンションの名前をつけたのは、発売前のゲラの段階でした笑 クローバーがモチーフになるなんて最初は思ってなかった……笑

原稿前に提出したプロットの短いあらすじ。
あと発売前にタイトル決まるまでは「片恋マンション」と呼んでいました笑

◎続きもののシリーズ作品のむずかしさ

前作「恋する図書室」はオムニバス形式で巻ごとに独立したお話だったので、今回初めて続き物のお話を出すことになりました。
わたしは700円はかなりの大金だと思っているので、一冊である程度満足してもらえる作品を作りたいという勝手な思いがあります。 みらい文庫さんは巻次がつかないので「いきなり2巻や3巻を手に取っても話がわかるように」書いてほしいと言われました。なんとなく自分と方針が合っているかも?と思います。
もちろんなんの確約もなく書いているので、シリーズになるかどうかもわからないし、2巻や3巻で急に終わってしまうかもしれない。怖かったですが、挑戦してみることにしました。
裏話②1巻プロットの段階から、巻ごとにどのイベントの話を書くか考えていました。表紙色のイメージも少し。
裏話③しかし、構成通り書けずに削ったエピソードがあります。なので、一冊は「書く予定のなかったエピソード」を書いたことになります。ちょっと欲張ってしまった……。キャラクターに悪いのでどのお話かは言いません。笑
でもその巻はとってもいいお話になったし好評でした☺️

◎主人公・芽依ちゃん

本編で文章にして触れてはいないですが、喋る前に「あっ」って言っちゃうのが癖になっている子です。自信のなさから出るらしいです。
そして、恥ずかしがりやのくせに人の世話を焼きたい。
五十嵐自身を投影したような主人公です。もちろんあんなに可愛くて真っ直ぐないい子ではないですが……(笑)
でもどんどん頼もしくなっていって、不思議なんですけど「キャラが勝手に動いてくれる」みたいなことを経験しました。
読んでくれた子の主人公に対する感想は「モテモテでうらやましい」とか「いいなー」だけじゃダメだと思っています。できれば「こういうふうになりたい」か「共感できる」「頑張れ」って思ってもらいたい。
自信はないけどネガティブすぎない芽依ちゃんの性格は、いい感じに受け入れて応援してもらえたみたいでよかったです☺️
あと個人的に芽依ちゃんは「自分の恋が叶わない+親友の好きな人に好かれている」という状況なので中一なのに大変だな……心労やばいだろうな……と思っています。笑

◎ハルキとの結末について

「全員片想い」や「せつなキュン」というワードをキャッチコピーにしてもらったお話でした。
最近の流行的に夢のような恋愛のお話がたくさんあるなか、(恋愛の関係が)現実に近い物語を手にとってもらえるか、最初はとても不安でした。
流行の題材を書くべきか迷ったりもしました。
しかしわたしの力量不足で、すでに愛されている状況で主人公の成長を描ける自信がなかったのです。今流行している夢のような恋愛のお話は、もっと得意な先生方がたくさんいると思うので、割り切ることにしました。
「周りや流行りに合わせる必要ないですよ」という初代担当さんの言葉はとても救いになりました。

「あきらめずに努力したら何か変わるかもしれない」というのが物語全体を通して伝えたかったことでした。
ふられたらそこで気持ちを消さなければいけないという決まりはなく、片想いを続けるのは自由ですから。
もちろんストーカーとか、気持ちを押し付けたり相手に迷惑をかけるのはダメですけど(^◇^;)
そして告白されたら相手のことが気になってくるのも中学生らしいかな、と……笑

裏話④ハルキのさくらへの気持ちは、当初は「家族愛」の予定でした。
幼い頃から一緒にいて、きょうだいみたいに育って、大切な存在で……。そんな気持ちを初恋だと勘違いしていたけど、芽依と出会って「これが恋なんだ」と気づく設定でした。
ですが、上記の「あきらめなかったら相手の気持ちも変わるかも」という要素をより強くするために、編集さんと話し合って「さくらのことが本当に好きだったけれど、それよりも芽依のことを好きになった」という流れに変更しました。
わたしの記憶の中では、中学生くらいの子が好きな人が変わるとか多分リアルなんですけど、読んでくれた皆さんの中ではどうですかね?笑
何せ短いスパンだったので、なるべくハルキが移り気なやつに見えないように気をつけました……。たまにお手紙で「ハルキのクズなところが〜」と書かれていることがあってびっくりでした笑
裏話⑤「好きです付き合ってください」というやりとりをしないで、告白シーンを描くことになった
13章です。なかなか難易度が高いミッションかも!?と思いましたが、書いてみるとスラスラ描けて、この二人らしい両想いの瞬間になったんじゃないかと思います。

ハルキの設定画?が出てきました。この絵からあんなにかっこ良くしてもらえてよかったね……( ;  ; )
そう、ハルキは天然パーマです。笑 将来の夢は警察官らしいです。

◎一番人気・優真くん

(優真くんを好きな人は知りたくない設定もあるかも、ごめんなさい)
ホームページ・SNS・お手紙で読者の皆さんが「推しキャラ」を教えてくれるのですが、ダントツで優真くんが人気でした。(^◇^;)
ハルキが気まぐれで優しくないぶん、主人公のことが好きでいつでも優しい優真くんが輝いて見えるんですよね。「当て馬キャラ人気の法則」ですね笑
裏話⑥優真はみなさんが思っているより重い性格という裏設定
「溺愛」と「メンヘラ」って紙一重じゃないでしょうか……笑 なのでいい塩梅に溺愛キャラを描ける先生すごいです。
好きな相手が同じマンションに→安易に気持ちは伝えず、主人公にとっていいポジション&告白にベストなタイミングを見計らう→主人公が振られたタイミングで告白……優真くんはかなり頭がいい子だと思います。
お兄ちゃんがYouTuberになっちゃうくらいの人で、ずっと「SHOTAの弟」みたいに言われてたのかな。小5くらいで「もう兄ちゃんのこと言わないで」って爆発して、静かな性格になったのかも。「自分は何がしたいんだろう?」と悩んでいて、芽依と出会って……みたいな。
裏話⑦ 優真が東京の高校に進学したのは、芽依とハルキの近くにいることが辛かったから
失恋して三年経っても好きだったんですね……。近くにいて、その相手と顔を合わせる限りあきらめられなかったりしますよね。
優真くんは将来、出版社に就職する予定です。そこで恋図書のあのキャラと出会って恋する……という裏の裏の裏みたいな設定があるのですが、10年後くらいに個人的に描けたらいいな。笑

◎まとめ

いろいろ書きましたが、無事に芽依とハルキが両想いになって終われてホッとしているという状況です。
とにかく行村先生のイラストが素敵でした。キャラの見た目や美しすぎる花はもちろん、私服とか細かいところまで解釈一致すぎてびっくりでした。物語を気に入ってくださって本当に嬉しかったです。

悔しい、苦しい、そんな思いもたくさんした作品でした。
いろいろなことに恵まれなくて、焦ってもよくなかったんだなと思いながらも、焦らないと作品を出せないこともある。商業で小説を書かせてもらうことの難しさを改めて実感しました。
でも新しい読者さんとの出会いがたくさんあって嬉しかったです!

5巻のあとがきにも書きましたが、懲りずにまた新しい物語を創っています。
五十嵐らしいような、でも児童文庫の題材としては意外かも? 早くお届けできるように頑張っています〜(^^)
来年や再来年にもし五十嵐の本を見かけたら、また手にとってもらえると嬉しいです。

長々と読んでいただいてありがとうございました!
そして「花きみ」を読んでくれた読者の皆さん、本当にありがとうございました。裏話⑧5巻まで出せたのは、読者の皆さんのおかげでした。
よかったらここのフォームやみらい文庫さんのHP、お手紙などで感想などもらえると五十嵐の養分になります🌸

それではまた、更新します!
五十嵐 美怜


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五十嵐美怜(いがらしみさと)
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