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バスケ部。

中学の時所属していた部活は吹奏楽部。
友だちに誘われて何となく。

どちらにせよ部活には必ず所属しなければならなかったし、トランペット経験者だったからまぁ音楽に慣れているから良いか。と思い入部した。

正直バスケ部に入部したかったのが本音である。

小6の頃、母が持っていたスラムダンクの漫画を読んで「バスケが出来るってカッコイイなぁ〜」と感じていたところがあった。

「バスケ部に入ろうと思う」

親に言ったら即大反対された。

しかも母がそのことを祖父に言ったらしく、北海道に住んでいる祖父から突然電話がかかってきて「バスケ部に入るのは辞めて欲しい」と懇願までされた。

普段は控えめで地蔵の如く動かない祖父が言うもんだから最早"バスケ部"という概念が恐ろしくなってきたのを未だに覚えている。


クラスメイトにアニメ好きで大人しい女の子がいた。

彼女も「黒子のバスケ」の影響でバスケ部に入部すると意気込んでいた。

私もバスケ部に入部したかったが家族に反対されたから別の部活に入る旨を彼女に話しており、お互い頑張ろうね!と鼓舞し合った。

仮入部期間が終わり、本格的に部活が始まった5月。

彼女がみるみる元気が無くなっていることに気づく。

試しに「バスケ部どう?楽しい??」と聞いても

「うん………」

としか答えない。


そして彼女は入部してから3ヶ月も経たずにバスケ部を辞めてしまった。

原因は人間関係である。聞かなくても分かる。

バスケ部に所属している先輩や入部した同級生はまさにヤンキー系かギャル系の俗に言う1軍女子しかいなかった。

所詮田舎の公立中学校のバスケ部なんて不良の溜まり場にしか過ぎないのである。

いつもダラダラと仲間とつるんで遊んでばかり。当たり前だけど顧問もやる気がなく、変に指導すれば反抗されるので問題さえ起こさなければ良いと思っているだけ。

彼女、相当失望したんだろうな。
真面目で大人しい少女と本気でバスケットをしない少女たちとはウマが合う訳が無い。

黒子のバスケは読んだことないけれど、多分登場人物はみんな真摯にバスケットをやっているだろう。
そして彼女も漫画の登場人物の一員のように部活を楽しもうとしていた。
そんな矢先だったから辛かったんだろうな。

強豪校なら素行がよろしくない人は居ないんだろうけど現実的に考えて無理だからね…(強豪校は強豪校でかなり気の強い人が多そうだが)

親や祖父がバスケ部の入部を強く反対した理由がよく分かった。

でもやっぱりバスケ部に入りたかった。

今の日本代表を見ていると心沸き立つ。

だからと言ってもしあの時バスケ部に入っていたとして、当時アイツらとやっていけたかと考えると自信が無い。


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