うろ覚えむかしばなし 浦島太郎

あやふや度 ★☆☆☆☆

むかしむかし、あるところに浦島太郎という漁師の若者がいました。
浦島が浜辺を散歩していると、子供たちが海亀をいじめていました。
浦島は子供たちに言い、亀を開放してやりました。
亀は何度も頭を下げながら海に帰っていきました。

その数日後、浦島がまた浜辺を散歩していると、その亀がやってきて言いました。
「先日は助けていただきありがとうございました。
 私の主人があなたにお礼をしたいと言っています。どうぞ私の背に乗ってください」
浦島が亀の背に乗ると、亀は海に潜っていきました。

海の底には豪華なお城がありました。
浦島がお城に入ると、立派な着物を着た美しい女性が出てきて言いました。
「私は乙姫、この竜宮城の主です。
 先日は家来の亀を助けて下さりありがとうございました。
 お礼にぜひ、おもてなしをさせてください」
鯛や平目の舞や、海産物の料理やおいしいお酒で、乙姫は浦島をもてなしてくれました。

浦島は豪華なもてなしに楽しく過ごしていましたが、ある日言いました。
「すっかり長居をしてしまったようです。家のことも気になるし、そろそろ私は帰らなければなりません」
乙姫は引き留めましたが、浦島はすっかり里心がつき、帰りたいの一点張りでした。
乙姫は言いました。
「そこまでおっしゃるなら仕方ありません。
 お土産に、こちらの玉手箱をお持ちください。しかし、けして開けてはいけませんよ」

亀の背に乗って、浦島は元の浜辺に戻ってきました。
しかし、村の様子はすっかり変わってしまっていました。
浦島が竜宮城で時を忘れて楽しんでいる間に、地上では100年もの年月が経っていたのです。
浦島は嘆きました。
そして、もうどうなっても良いと思い、開けてはいけないと言われていた玉手箱を開けてしまいました。
すると玉手箱からはもくもくと白い煙が出て来て、それを浴びた浦島は年相応の老人の姿になってしまいました。
そして浦島太郎は鶴に身を変えて、どこかに飛んで行ってしまいましたとさ。


昔話の好きな子供でした。でも、あの頃読んだ昔話は今や記憶の中でうろ覚えのあやふやになり、混ざり合いごちゃごちゃになっています。
きちんとした話を目にしてしまう前に、うろ覚えの状態の自分の中の物語を書いておこうと思いました。
きちんとしたものを目にしてしまえば、うろ覚えの状態には戻れないのですから。

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