うろ覚えむかしばなし 北風と太陽
あやふや度 ★☆☆☆☆
ある日、北風と太陽が競争をしようと言いました。
「そこにいる旅人の服を脱がせた方が勝ちだ」
北風は、旅人の服を吹き飛ばそうとびゅうびゅう吹き付けました。
寒くなった旅人は、ぎゅっとマントを引き寄せ、ちぢこまりました。
太陽は、ぽかぽかとあたたかく照りました。
暑くなった旅人は、マントや服を脱ぎ始めました。
こうして、競争には太陽が勝ったのでした。
昔話の好きな子供でした。でも、あの頃読んだ昔話は今や記憶の中でうろ覚えのあやふやになり、混ざり合いごちゃごちゃになっています。
きちんとした話を目にしてしまう前に、うろ覚えの状態の自分の中の物語を書いておこうと思いました。
きちんとしたものを目にしてしまえば、うろ覚えの状態には戻れないのですから。