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「歌うことは生きること」~世界の歌に挑戦⑧~ ”STARS『星よ』(ミュージカル レ・ミゼラブルより)”


こんにちは。
統合カウンセラーの猫間英介です。
歌うことは最高のセラピー&コーピングの一つだと思います。
私にとって、「歌うことは生きること」
 
歌うことが大好きで、歌のレッスンを受けるようになって12年になります。12年間、ほぼ週に1回、仕事帰りに夜7時半頃から約45分のレッスンを受けています。一回のレッスンで数曲やるときもあるから、これまで300近くはありそう。
仕事などでかなり忙しいとき、疲れているとき、なんとなく気分が乗らないときも、とにかくまずは行って歌っています。ひとたび歌い出せば自分の心と体に活力がみなぎってくるのを感じます。
この12年間で先生は何度か代わりました。声楽やオペラなどクラシック出身の先生ばかりですが、私は全くジャンルを問わず、自分の好きな曲、歌ってみたい曲の楽譜を持ち込んで、先生のピアノ伴奏で歌っています。毎回、発声トレーニングのあと、そのとき持ち込んだ曲を歌います。
私はクラシック音楽に明るいわけでもなく、音楽理論をよく理解していわけでもありませんが、ただ自分がいいと思った曲、心動かされた曲であれば何でもジャンルを問わずに歌いたいと思っています。
これまで歌ってきたのは、イタリア歌曲、日本歌曲、カンツオーネ、ポップス、ジャズ、ロック、ボサノバ、歌謡曲、演歌などです。言語は、日本語、英語、(意味をきちんと理解してしませんが)イタリア語、ポルトガル語などです。
ピアノ伴奏だけでマイクなしで歌うので、かなり集中して自分の声帯と五感と身体全体を駆使して挑みます。
このブログでは、これまで歌ってきた曲や今挑戦している曲、うまくできなくて奮闘していること、挫折感、高揚感、達成感、これからの目標などを書いていきたいと思います。
 私にとって歌は生きる力そのもの、「歌うことは生きること」、自分が死ぬまで歌を続けていきます。
それではさっそく取り組んだ曲から。


取組曲: STARS【星よ】
   ミュージカル 【レ・ミゼラブル】より
        
🔷Music: CLAUDE-MICHEL SCHONBERG
🔷Lyrics: HERBERT KRETZMER & ALAIN BOUBLIL
🔷使用楽譜: ミュージカル・サウンド・シリーズ
     「レ・ミゼラブル」〈新装版〉                                               
🔷発行元: 渡辺音楽出版株式会社
🔷発売元: 株式会社ドレミ楽譜出版社
🔷発行日: 2013年4月30日 初版発行
      2018年4月30日 第6刷
🔷歌詞: 英語

🔷本曲を選択した経緯 
 7年ほど前に声楽を仕事としている知り合いから、「レ・ミゼラブルを歌おう」という集まりがあるから参加してみないか、と誘われ参加することにした。それまでレ・ミゼラブルを物語やミュージカルでは知っていましたが、ミュージカルの中の歌の一つ一つをじっくり聴くことはありませんでした。

 さっそくいろいろな音源にあたってみると、素晴らしい曲だらけで迷ってしまいましたが、最終的にこの「STARS(星よ)」を選択しました。
この曲は、主人公ジャン・バルジャンを彼が過去に犯した罪で執念深く追い続ける警部ジャベールが、夜空の星に向かって「バルジャンを絶対に捕まえて牢屋にぶちこんでやる、それまで休息することなく追い続けるぞ、そのことを今星に誓う。」と歌うものです。

 最初にこの曲を聴いたときには、「STARS(星よ)」という題名と序盤の柔らかな旋律で、歌詞の内容が警部の犯人逮捕への強い意志を歌っているものとは思いませんでした。

 以前、この曲を練習して、「レ・ミゼラブルを歌おう」の集まりで、20人くらいの前で歌ったことがありますが、今回、あらためて歌のレッスンでこの曲に挑戦することにしました。 この曲は以前も難しく感じましたが、今回もいろいろと課題がありました。


【俳優でバス・バリトン歌手でもある、Philip Mark Quast さんが歌うSTARS(星よ)】


それでは、この曲への具体的な取り組みについて述べます。


【課 題①】: 歌う高さへの対応。
  歌の先生も言っていましたが、この曲はわりと低音域が多いので、通常はバリトンやバスの歌手が歌うこと多いとのこと。テノール音域の私には若干低く感じるかもしれないと言われました。上記のPhilip Mark Quast さんもバス・バリトン歌手です。

 ▼《対 応》
  実際に歌ってみると、確かに私にはちょっと低く感じました。それでも、(自分では)何とかなるかなと感じたので、とにかく歌い込んでみるとことにしました。 声出しの準備トレーニングを入念にして、先生のアドバイスに従いながら何度か歌い込んでいくと、次第に低音域の声も出るようになってきました。
   


【課 題②】: 8分の12拍子のリズムへの対応
 
 この曲は、一小節が8分音符12個で構成される「8分の12拍子」です。途中で一部「8分の6拍子」になりますが、もともと4分の3拍子や、8分の6拍子もそうですが、いわゆる3拍子系のリズムにしっかりと乗ることがとても苦手です。 
 休符も付点4分休符16分休符もしばしば登場するので間の取り方もとても難しいと思いました。また、8分音符3つ分を4つに分割した4連符などもあり、歌の入りが遅れたり早まったりを繰り返してしまうという失敗の繰り返し。
 
▼《対 応》
 一小節に8分音符が12個あること、そして一小節が3つの8分音符で1拍 × 4拍 = 12個の8分音符で構成されていることをきちんと理解すること。
そして、それを理解したうえで、一小節内のリズムのカウントとしては、「イチとっと・ニイとっと・サンとっと・シイとっと」、または「タタタ・タタタ・タタタ:タタタ」と捉えること。

 もちろん、これですべてが上手くいくわけではないのですが、これを意識することで、やたら登場してくる付点4分休符(=8分音符3つ分=タタタ)を含めて一小節内の音符構成を少し余裕をもって捉えることができ、歌の入りや切れが遅れたり早まったりすることが少し改善されてきました。


【課 題③】: 歌詞やメロディのテーマや場面の変化に応じたメリハリ
  この曲の歌詞やメロディのテーマは大きく3つくらいに大別される(もちろんもっと細かい区分も可能)。 その区分ごとの歌詞の内容やメロディの変化に応じて、しっかりと強弱、レガート、ブレスなどを意識してメリハリをつけて歌わないと、特にミュージカルでは聴衆に歌がしっかりと届かなくなる。

1.第一場面: ジャベールが夜空の星に向かって語り掛けるように歌う。
  冒頭~ 2番の ” ・・・And if you fall as Lucifer fell,  you fall _  in flame!"  まで。
 ▼《対 応》
  
この部分は星や夜空に語り掛けるようなセリフ的な部分も多いので、それほど大きな声で歌う必要はない。 ただし、セリフ的な部分は言葉数も多く、雑になりやすいので、言葉一つ一つを丁寧に拾って歌う。特に、言葉の最後の子音をしっかりと発音する。 また、つぶやくような部分があると言っても、英語が母国語でない日本人は発音が弱くなり過ぎないように注意する。
 (日本人は英語の歌を滑らかに歌おうと意識するあまり、最後の子音をはしょったり、弱くなったりする傾向があるとのこと。)
 
2.第二場面: ジャベールの気持ちがだんだん盛り上がってくるところ。
  
第一場面の後の、”And so it has been  and so it i writ-ten  on the door - way  to Par-a-dise, that those who fal-ter and those who fall  must pay   the price. "  

 ▼《対 応》
  
この部分はレガートで朗々と虹を描くようなイメージで歌うとよいのではないか(と先生)。第一場面よりも少しテンポを遅くしてもよいとのこと。 *「虹」という例えが、なんか心と身体に染みるな。

3.第三場面: ジャベールが「バルジャンを絶対牢屋にぶち込んでやる、そのときまで俺は休むことなく追い続けるぞ~!!」、と力強く星に誓うところ。

 ▼《対 応》
 🔷”Lord, let me find him, ____ that I may see hime"
は穏やかに。
 🔷”safe be-hind bars._ ___   I will never rest、’til then, __    This I swear!   This I swear by the stars!  __ " 
  
は、クレッシェンドでどんどん第二場面よりもさらに大きな虹を描くように。
 🔷”This I swear by the stars!  __ "
は、一音一音を少しテヌート気味に、"swear "と"by"の間にブレスをとる。(プロはとらないでも大丈夫だが、プロでない人の場合ここでブレスをとらないと最後の"stars"の伸ばしを持ちこたえられなくなる。)
 🔷最後の”Stars!_____” は、丸々2小節分(さらにフェルマータ付き)なので十分に長く伸ばす必要があるので、しっかりと身体を開いて、丹田の支えもしっかりと使う。
  

8分の12拍子、このリズムに乗りきるのは相当訓練が必要だとあらためて思った。 今回は歌を歌うことにフォーカスしているが、実際のミュージカルでは、歌を歌いながら役を演じ、セリフもしゃべり、体を動かし、踊りもあるのだから、五感と身体全体をまさにフルに稼働させることになる。素晴らしいな。

自分も鍛錬を積んでミュージカルに挑戦してみたい。

猫間英介

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