Jリーグ以前のサッカー表象
Jリーグ開幕(1993)以前の日本では、サッカーはマイナースポーツだった。
それでも、映画や漫画にチラホラとサッカーが登場してはいる。
寺山修司の映画『書を捨てよ町へ出よう』(1971)では、平泉征(後の平泉成)演じる男がサッカークラブを率いていた。
この男は、わりと西洋かぶれでブルジョワ趣味のキザな人物として描かれている。
ヒールと捉えてもいいかもしれない。
手塚治虫の漫画『MW(ムウ)』(1976-1978)に出てくる神父さんと刑事さんは、サッカー部出身という設定だ。
二人ともナイスキャラだし、神父と刑事なので社会的地位がある。
『書を捨てよ…』よりは、サッカーの地位も向上しているようだ。
最後に、大友克洋のアニメ映画『AKIRA』(1988)において、鉄雄が夢の中で、公園でリフティングをする金田を見つけるシーンがある。
ここに来て、ようやく主役がサッカーをするまでになった。
夢の中とはいえ、快挙と言えよう。
Jリーグ開幕の5年前のことである。